参考にしないでほしい !? 波瀾万丈の短期決戦、海外大学院PhD課程への道【海外大学院受験記2022-#7】

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番外編1. メンタルヘルス

そんな私ですが、実は受験期にわりと心を壊してしまいました。メンタルマネジメントについてはKeidai Iiyamaさんのブログなどでもまとめられていて、私も繰り返し読ませていただき心の支えになっていたので、自分の個人的体験もシェアさせていただければと思います。

私の場合は海外院進を決断してから出願までの期間が短く、要領よく研究と出願を両立できるタイプでもなかったので(あとは一人暮らししていたので日々の家事もありました)、土日含めほぼ一日中院生室に籠っていました。修士1年としては狂気的に大学にいた気もしますが、近くの席に同じくらい狂気的な博士3年の先輩が連日博論に取り組まれていたので、勝手に「負けないぞ」と思っていました笑

海外院出願は完全に個人で決断して個人で動いていたので、今思うと多く支えてくれる人がいたにも関わらず、1人で戦っているような不安定さとストレスが常にあったのかもしれません。私は良くも悪くも、ストレスや不安感が体調に出るまで気づかない鈍感さがあって、めげることもないので、我ながら矢がたくさん刺さった状態でも歩き続けられてしまうようなタイプだと思っていました。しかし、研究関連での悩みや、家、友人といった個人的に大きく重たい問題が重なってしまったのもあって、苛立ちや悲しみや様々な負の感情がない混ぜになっており、冬頃にさすがに自分でもおかしいぞと気づくほど精神的に追い込まれてしまっていたようです。

例えば、

  • コントロールできない涙が出る。しかもそれを冷静に把握する客観的な自分もいる
  • 洗顔フォームを歯ブラシの上に出したり、冷凍ブルーベリーをお味噌汁のお椀に流し込むようなミスが増える
  • お腹は鳴るが何が食べたいかわからない。コンビニでお昼のお弁当を選ぶのに30分立ち尽くして迷ってしまう。物欲や承認欲求や「〇〇したい」みたいな感情を一切感じなくなる
  • 身体に定期的に謎の炎症が複数でき、血が出る
  • 大好きだった曲もシャカシャカとしか聞こえない
  • 落ち込みの波に入っている時は、私が学部3年時に急逝してしまった、親のような存在で大好きだった祖父に夢や想像の中でよく会いに行って救いを求める
  • 研究のことで考え込みすぎて、趣味のホットヨガで汗だくの瞑想中ですら「上を向いて太陽のエネルギーを感じて」と言われたら「短波放射だな」と思ってしまい、「目の前に広がる海を想像して」と言われたら「熱のリザーバーだな」と考え始めてしまい、雑念が消えない

本当に脳が疲れてるなと思ったのは、新たにこなすべきイベントが増えた際、「乗り切れるのかい、乗り切れないのかい、どっちなんだい」と脳内で声が聞こえた時(この状況でもネタは出るのか自分…しかし当時はもはや笑う気力もなかった)です。

なんとか対応しようと思って、たくさん自己分析しました。しかし、「ポジティブなマインドでいよう、こう思おう」と思って言い聞かせても、頭で理解していることと気持ちが輻輳して頭でっかちになる不安定さと生きている感じでした。自己分析しているそんな自分の構造をさらに自己分析している、インセプション並に何階層も思考がグルグルした状態になってしまっていました。雑念を払おうとしても、人は修行僧にはなれません(修行僧は人間か…では仏で)。結局そのまま出願まで突っ込んでいったわけですが、今となって振り返ると、文字通り血と涙と汗の戦いでした笑

こうして、強いと思っていた自分が予想以上に弱いことが分かったわけです。これからの博士課程ではもっと悩み苦しむことがきっとあるでしょうし、落ち込み期は「こんな弱さでは博士課程進んでもやっていけないんじゃないか」などと思い込んでいましたが、今はそんな弱い自分と共に生きていこうと開き直っています。

結局乗り切れなかった、というか抱えたまま無理矢理乗り切った(?)私から言えることは少ないですが、とりあえずよく寝ましょう。10時間くらい寝ると、どんなトラブルが起きようとどんな厳しい評価をされようと受け入れられる謎の余裕が出てきます。また、これは人によるかもしれませんが、数式や理論に疲れた時には感性や芸術に浸りましょう。私の場合は、遠い旅先で大自然に触れることと、自分の思考の枠を壊してくれるような狂ったモダンアートを見ることが、心の特効薬でした。私が特効薬を見つけたのは受験終了後でしたが、良ければ皆さんもそうした自身の特効薬を早めに見つけておくと、いざというときに救いになるかもしれません。

番外編2. 参考にならない願掛け

もう一つタイトルを回収するべく、受験期に迷走した私が行っていた願掛けの数々をご紹介します。

  • 高校受験の時も大学受験の時も、志望校のキャンパスに建物を触りにいって、自分がそこにいる実感を持つことが験担ぎだったのですが、今回はアメリカに行けなかったのでイメージトレーニングで済ませました。ヨガのシャバーサナ(仰向きの瞑想)の時、いつも頭の中でプリンストンの草原(行ったことはない)に寝そべっているイメージをしていました。
  • プリンストン大学のスクールマスコットが虎なのですが、私が寅年かつ出願年の2022年が寅年だったのもあり、これは虎の縁を最大限に生かしていこうと、スマホのロック画面を虎にしていました。
  • さらには、動物園でホワイトタイガーに会えるイベントに応募しました。
  • クリスマスの時期には”All I want for Christmas is you”の”you”を”Princeton”に置き換えて歌っていました(語呂悪い)

皆さんも真似していただけたら、きっと気休めにはなるかと思います。笑

プリンストン大学のスクールマスコットの虎をかたどったキャンパス内の像

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