「ヨーロッパで家を探す」と言っても、家の探し方やその難易度は国や地域によって大きく異なります。とくに学生の多い都市では、希望する住居が見つかるまでに3ヶ月以上かかることもあるため、進学が決まり次第、家探しのプラットフォームや現地のスケジュール感を把握し、早めに動き始めるのがおすすめです。FacebookなどのSNSでルームメイトを先に見つけ、一緒に物件を探すという方法もあり、多少高めの家賃でも折半できるという利点があります。
また、ヨーロッパは非英語圏が多いため、家探しにおいて言語の壁に直面する場面も少なくありません。たとえば「内見必須」なのに、そのやり取りがすべて現地語で行われることもあります。一方で、アジア系の大家さんなど、英語だけで手続きが完結するケースもあるため、そうした事情も考慮して物件を絞るとよいでしょう。近年では、日本人向けにヨーロッパ各地の物件を紹介・仲介してくれるサービスもあり、「ユーロエステート」などがその一例です。
この記事では、各国ごとの家探しの流れや注意点、実際の体験談を交えながら、ヨーロッパでの住まい探しをわかりやすく解説していきます。(アメリカでの家探しについてはこちらを参照)
イギリス編(特にロンドン)
イギリス留学の家事情
イギリス留学と言えば、やはりカレッジ制度でしょう。ケンブリッジやオックスフォードの大学院に出願する際には、同時にカレッジにも応募することになります。伝統を重視するカレッジ、新しいカレッジ、女性限定のカレッジ、大学院生限定のカレッジなどそれぞれ特徴・特色があるため、出願前に Open Day などで自分に合ったカレッジを見つけるのが良いでしょう。
一方で、例えばロンドンにある大学のほとんどはオックスブリッジにあるようなカレッジを有していません(学生寮はあるものの学部生が中心)。ロンドンの家賃は極めて高いため、大学院生のほとんどはフラットシェアまたはパートナーと二人暮らしをしています。
フラットシェアに参加するには
フラットメイトを探す or フラットメイトを募集しているフラットを探すには、ユーザー数が最も多い SpareRoom を使うが無難でしょう。他にも、日本人向け掲示板 MixB で家を見つける人もいます。勿論、大学や研究室で仲の良い人とフラットシェアを始めたという人も少なくないです。
自力で家を契約するには・流れ
家を貸し出している大家さんを見つけ、直接契約する形態です。Zoopla や Rightmove、OpenRent などのサイトがよく使われます。不動産業者( Foxtons など)を使う手もありますが、手数料が取られるので注意です。ロンドンには、日本語で対応してくださる日本人向けの業者もあります。
フラットの契約では、1年契約を毎年更新し続けるというケースが多いです。これは同時に、大家さんが家賃を上げられるタイミングが1年に1回訪れるということでもあります。実際、大家さんが家賃を上げてきたため新しい家を探すことになったという話はよく聞きます。また、不動産業者を介して契約する際には、家賃を払い続けることができる収入があるかどうか証明する必要があり、家賃の少なくとも2倍の収入があることが大抵求められます。足りない場合は、自分が家賃を払えなくなった場合に代わりに払ってくれる保証人 (Guarantor) を指定するか、半年分の家賃を前払いすることで交渉することもできます。
ロンドンの家探しは非常に competitive で、毎日新しい物件が大量に出現し一瞬で消えていきます。家探しをすることになった際は、インターネットに張り付いて根気よくメールを送り続けることになります。体感1割〜5割が返事をくれるので、返事が来たらなるべく早く viewing を予約しましょう。
[新しい家を見つけてから住み始めるまでの流れ]
1. 家探し開始
2. 良い物件を見つける
3. Viewing(大家さん自らが案内してくれる。大家さんの都合が合わない場合も、後日大家さんとオンラインで会うことが多い。)
4. Holding deposit を払う(通常1週間分, 無事住むことになった場合は1ヶ月目の家賃からこの分が割引される)
5. 収入証明
6. Reference check(研究室の教授などにお願いする)
7. Deposit を払う(1ヵ月分, 退去時にクリーニング代などが引かれて返ってくる)
8. Contract にサイン
9. 同時にインターネットなどを契約
10. 入居開始
体験談
私は留学してすぐはロンドンにあるプライベートの学生寮 Goodenough College に住んでいました。部屋にトイレやシャワーはついており、キッチンや洗濯機は共用でした。その後、フラットメイトを探していた研究所のポスドクと二人でフラットシェアを始めました。最終的には、OpenRent で見つけた今の物件に引っ越すことにしました。その際、2年契約を結ぶ代わりに家賃を1割下げる交渉をしました。家賃以外の生活費は、電気代、Council tax、インターネット代のみです。インターネットプロバイダは自分たちで Hyperoptic の1Gb プランを契約しました。この際も、Hyperoptic より安いプロバイダの料金を提示して交渉を行い、料金を割引してもらいました。
ドイツ編
ドイツ全般の家事情
ドイツは基本的にどこも住宅難です。需要に供給が追いついていないため、特に大きな町では家探しは困難を極めます。ベルリンやミュンヘンなどの都市部ではシェアフラットの場合であってもなかなか見つからないことが多いです。そのため、知り合いの伝手などでちょうど誰かが引っ越す物件にそのまま入居することができればそれが1番安心かつ早い方法になります。ドイツに長期滞在することが決まったら、まずは大学や研究所のコミュニティに、近々退去するから新しい入居者を探している人がいないか聞いてみましょう。そうではなく自分で一から探す場合は、運が良くないとなかなか見つからないものだ、と覚悟する必要があります。以下、その手順を説明します。
寮は使える?
多くの大学が寮やゲストハウスを用意していますが、特に修士の学生向けの寮などは、どこも非常に人気です。数ヶ月の Waiting list 待ちは良くあり、ミュンヘンなどの大都市の大学では、卒業してから Waiting list が回ってきたという話も良くあります。進学が決まったらすぐに申し込むといいですが、ドイツ国外に住んでいる場合はビザが降りるまで結局応募できないということもあり、あまり期待はできないことも多いです。
家の探し方・契約までの流れ
一から家を探す場合、不動産などの仲介業者は挟まず、家探し用のオンラインプラットフォームなどを介して入居者を募集している大家さんと直接やり取りをすることになります。メジャーなプラットフォームとしては、Immoscout24、Immowelt、wg-gesucht、Kleinanzeigen などがあります。気になる物件を見つけたら、まずはプラットフォーム内で応募するか、直接大家さんに連絡をして入居希望の旨を伝えます。その後、大家さんから内見に呼ばれることになるのですが、応募件数があまりにも多いため、そもそも内見に呼んでもらえないことの方が多いです。大家さん曰く、サイトに物件を挙げるとものの1時間で何十件もの入居希望の連絡が来るそうです。応募した人の中から選ばれた数人が内見をしますが、この時点でもまだ何人も入居希望者がいます。内見をした希望者の中から大家さんに選んでもらうことで、ようやく入居が確定します。仕事のオファーの獲得よりも難しいです。
最初に入居希望の連絡をする際は、自分の収入を証明するもの(給与明細)などを提出します。また、ドイツ特有ですが、Schufa-Bonitätsauskunft (Schufaの証明書) があると良いです。Schufa とは個人の信用スコアを管理する会社で、そこが発行する信用度の記録のような証明書のことです。クレジットカードやローンの契約状況や延滞・未払いの有無を元に作成されます。上述のオンラインのプラットフォームで、有料会員になると簡単に発行できます。大家さんも内見に呼ぶ人をランダムに選んでいるわけではなく、綺麗に使ってくれるちゃんとした人を選びたいので、この段階からしっかりした書類を持って応募することが内見に呼んでもらう鍵となります。
ドイツ語の必要性について
ドイツ語を母語とする大家さんがほとんどなので、連絡する際はドイツ語で連絡する方が良く、返信率も圧倒的に高くなります。内見では直接大家さんと対面でコミュニケーションを取ることになります。受け答えをしっかりして、いい印象を与えると、入居者とし選んでもらいやすくなります(が、この辺りはもう運です)。いずれにしても、こういったコミュニケーションの際にドイツ語が使える方が圧倒的に有利になります。特に郊外の物件では、大家さんが英語を話せないこともよくあります。また、集団内見として、複数の入居希望者を同時に集めて内見を行うこともあり、この際はドイツ語のみです。ドイツ語に不安がある場合は、通訳してくれる友人などを連れて行くのがベストです。
繰り返しますが、ドイツの家探しは非常に競争率が高いです。何十件も物件に連絡をして内見も行き、ようやく1つ決まるというケースもよくあります。ドイツ人であっても同様に苦労している話をよく聞きます。特に需要が多い1人暮らしの物件探しは、運がないと泥沼にハマってしまいます。大家さんの方もこの状況を理解しているため、本当に切羽詰まって明日からホームレスですというような人の方を優先して選んでくれる傾向もあります。逆にいうと切羽詰まるまで全く選んでもらえないこともあります。退去日の数日前まで次の家が決まらないというケースは珍しくありません。
詐欺物件には注意
こういった状況に目をつけた詐欺も多いです。大家さんを装った詐欺師が存在しない物件を使って困っている人にアプローチを仕掛け(例: 今お金を払えば特別に部屋を提供できる、など)、数百から数千ユーロを騙しとるケースが残念ながら存在します。特に、メジャーな物件サイトではなく、Facebook などの個人が自由に情報を提供している場での物件情報は注意が必要です。詐欺に引っかかってしまう日本人も残念ながら多くいるため、領事館が注意喚起のメールを発信しています。以下、共有します。
住居の賃貸契約に関する邦人の詐欺被害が最近頻発しています。住居を仲介するインターネットサイトを通じて物件の賃貸契約を結んだ後、保証金や家賃を支払ったにも関わらず、家主と連絡が取れなくなり入居することができない事例が発生しています。
この様な被害に遭わない為には、契約前に住居の内見を行うことや家主と直接会うことが重要です。
契約前に内見ができない場合は、信頼できる家主であるか慎重に見極め、安易に送金しないよう十分注意してください。
○ 疑わしい賃貸情報には以下のような特徴があります。
- 内見前に送金を依頼される
- 物件の価格が場所や広さに見合っておらず安価
- 家主が海外や遠方にいると述べ会えない
- 送金先の銀行口座が外国のものでIBANがドイツの「DE」から始まっていない
- 家主の連絡先の記載がないか連絡先情報が間違っている
○詐欺被害を防ぐために以下の点に留意してください。
- 契約前に住居の内見を行い家主に会う
- あまりにも条件が良すぎる場合は警戒する
- 疑わしいと思う場合は送金しない
(参考)ドイツ警察犯罪対策 https://www.polizei-beratung.de/aktuelles/detailansicht/vorsicht-vor-betrug-bei-der-wohnungssuche/
体験談
私は6月に9月からのドイツ行きが決まりました。研究所のゲストハウスは10月まで満室だったので、とりあえず9月いっぱいは市が提供するゲストハウス(フラットシェア)に1ヶ月住み、10月から数ヶ月は研究所のゲストハウス(一人暮らし)に滞在しました。その間に無期限で住める家を探しましたが、100件近くメールを送り、20件近く内見にいってようやく1つだけ見つかりました。ただし、この見つかった家に入れるのがゲストハウスの利用期限の後だったため、この間の期間は Facebook の掲示板でフラットメイトを募集していたところに数週間滞在しました(が、このフラットメイトがトラブルメーカーで非常に大変な思いをしました。Facebook で家のやりとりをするのは本当にオススメしないです)。契約した家は家具などはついておらず、全て自分で揃えました。また、電気やwifiなども自分で契約が必要でした。この契約はドイツ語が必要だったので、近所の人や同僚に手伝ってもらいました。
オランダ編
オランダ全般の家探し事情
オランダの家探しは本当に難しいです(筆者の意見ですが、入試より難しい)。ICEF の報告書によると、2022年では学生用住宅が 2万7000 床近く不足しています。オランダ人学生でさえ、家を見つけるのに最長5年もの待ち時間を強いられています。都市によって家賃水準や競争率が大きく異なり、油断していると(例えば4月に合格して家探しをすぐに始めない、など)住む場所は本当に見つかりません。周りには、入学して半年経っても家が見つからず、いまだに Airbnb 住まいのケースも複数あります。事前に情報を収集し、戦略的に家探しを進めることが不可欠です。
⚠️ さらなる詳しい説明に関しては、オランダ留学生有志が作成した オランダ大学留学のすゝめ(仮)2024年5月06日版 があるので、そちらをご確認ください。家探しに限らず、スーパーマーケットや保険など、オランダ生活の A to Z が書かれていてとても素晴らしいです。
家探しの最適なタイミング
オランダに行く前に家を探さなくてはならない留学生にとっては、情報もコネもかなり限られています。ヨーロッパの電話番号以外では家探しのウェブサイトに登録できないこともあり、リソース面でも窮地に立たされます。なのでなるべく早く情報収集を始めましょう。
7月や8月からの入居を希望する場合、5月下旬頃から物件情報サイトにて申し込みを始めるのがおすすめです。早すぎると7月や8月入居可の物件がまだ出ていないことが多く、逆に遅すぎるとEU全域からの学生が一斉に探し始めるため、競争が激化し難易度が格段に上がります。良い物件を見つけるためには、各物件情報サイトに掲載された後、いかに迅速に連絡を取るかが鍵となります。そのため、連絡時に送る自己紹介や希望条件などをまとめた定型文を事前に準備しておき、必要な時にすぐ送信できるようにしておきましょう。
物件の多様性と内見の重要性
オランダの賃貸物件には、学生だけでなく社会人のみを対象としたものや、女性専用といった条件が付いていることがあります。中には特定の国籍(例:オランダ人のみ、ドイツ人のみ)を優先する物件も存在するため、募集要項を注意深く確認する必要があります。日本人とインドネシア人限定という激レア物件のケースもありました。
シェアハウスの場合は、契約前に既存の住人との面接(内見を兼ねることが多い)を強く推奨します。これは、家賃や立地だけでなく、住人との相性や生活スタイルが合うかを見極める良い機会となります。しかし、ビューイングは争奪戦であり、辿り着くのも一苦労です。ヨーロッパ留学情報によると、50件ほどメールを送って、ビューイングに行けるのは2~3件前後だそうです。
また、人気の物件は抽選で入居者が決まることも多く、その倍率は非常に高いのが現状です。一つの部屋に10人同時に内見することもよくあります。しかし、ビビっていても家は歩いてきません。どうにか応募しまくりましょう。
家賃補助制度 (Allowance) について
オランダでは、家賃や年齢などの条件に応じて、政府からの家賃補助金 (Allowance) を申請できる場合があります。条件や申請方法については、オランダ政府のウェブサイト「Toeslagen」で確認できます。(間借りに関しては対象ではないこともあります)
大学提供のハウジング
多くの大学では、特に留学生向けにハウジングオプションを提供しています。しかし数に限りがあり、先着順です。競争率は非常に高く、アクセス開始3分ほどで全てのハウジングが取られることもあります。全世界からアクセスが集中するためか、複数の機器でアクセスしてもあっという間に弾き出されてしまいます。そのため、大学提供のハウジングはゲットできればラッキー程度の気持ちで(でも超絶本気で)申し込むことが大切です。
- アムステルダム大学 Housing: 初年度の学生のみ利用可能です。
- エラスムス大学 Housing: こちらも初年度の学生が対象で、キャンパス内にあるHatta building を含め、留学生向けの部屋が多く提供されています。Bachelorおよび Master の初年度の学生が対象で、家賃は月額600ユーロから750ユーロ程度です。
- トゥエンテ大学 (Roomspot): 全学年が利用可能です。オランダで唯一キャンパス敷地内に学生寮を持つ大学で、Kennispark には230室の新しい学生寮の建設計画が進行中です。仮設住居は2022年中旬から入居が開始され、2023年に完成予定でした。部屋は28㎡のワンルームで、家賃は未定です。エンシェーデはオランダ西部の都市部と比較して家賃が平均で200ユーロほど安く、シェアルームであれば一部屋300ユーロ程度から見つかることもあります。
- デルフト工科大学: 出願時に、デルフト工科大学の学生専用ポータルを利用する権利を購入できます(1年生限定)。これにより家が見つかる保証はありませんが、利用することをおすすめします。2年生以降は、一般の市場で家を探す必要があります。
- ユトレヒト大学 (Reserved Accomodation Programme): 留学生の Bachelor またはMasterの初年度の学生が利用できるプログラムです。提供されるのは全て一人用の部屋で、大学は SSH、Xior Student Housing、Plaza Residence Services の3つのプロバイダーの物件を確保していますが、数に限りがあり先着順となります。そのため、他の選択肢も並行して検討することが推奨されます。
主な家探しサイトとツール
- ROOM(西部地域): 気に入った物件に応募し、順番が回ってきた際に契約するかどうかを決定できます。順番は早い者勝ちではなく、有料会員になった順とされています。順番が回ってくるまでには3年程度かかるという噂もあるため、早めの会員登録が望ましいです。
- HousingAnywhere(有料): 支払う月数によって料金が変動します。一般的に2週間で部屋を見つけるのは難しいため、1ヶ月プランの利用がおすすめです。物件情報が分かりやすく、写真の質も高いのが特徴です。条件を細かく絞り込めるため、効率的に探せます。家主とはチャット形式で連絡を取り、デポジットの送金までサイト上で行えます。その後はWhatsappなどに移行して連絡を取り合うのが一般的です。
- Pararius(無料): 完全無料で物件を閲覧でき、物件の管理者に直接内見の連絡を取ることができます。サイト上で内見依頼のメールを送信し、その後のやり取りはメールで行います。
- Kamernet(有料): 家主とチャット形式で連絡が取れます。料金は比較的高めです。
- Funda: オランダで最も有名な不動産サイトの一つで、賃貸物件も掲載されています。
- Huurstunt: 賃貸物件専門のサイトです。
- SSH(学生向け): 学生のみが利用可能で、登録料は20ユーロです。16歳から登録が可能なため、オランダ人の多くは16歳になるとすぐに登録を済ませています。部屋は登録日が早い順に案内されるため、ウェイティングリストは2年から2年半と言われています。内見には、ウェイティングリストの上位10~20人が呼ばれます。
その他: 各都市ごとに部屋探し用のFacebookグループが多数存在しますが、ここでも詐欺には十分注意が必要です。また、XIOR はヨーロッパ各地に展開する学生向けハウジングで、多くの大学と提携しています。
近年の家賃高騰と詐欺被害
近年の急激な家賃上昇に伴い、残念ながら詐欺も急増しています。詐欺の典型的な手口としては、「相場に比べて家賃が不自然に安い」「物件情報を曖昧にしか伝えない」「何かと理由をつけて内見をさせない」「物件の概要欄が他の物件からのコピペである」などが挙げられます。被害に遭わないためにも、必ず内見を行い、契約前に物件と家主の情報をしっかりと確認することが重要です。気になる行動があれば、大学に相談することをおすすめします。
以下は在オランダ日本大使館ウェブサイトより
オランダ国内の住宅不足につけ込み、生活情報を無料で掲載できるサイトを利用した賃貸契約の詐欺事案が発生しています。
具体的な被害事例としては、以下のとおりです。
(1)契約のため、事前にデポジットを請求され支払った後に、連絡が取れなくなる。
(2)契約締結後、実際に当該アパートへ行ったところ、既に他の人が住んでおり、住むことができない。
犯人は、実際の住居の賃貸契約であると思わせるため、賃貸契約に関する書類を提示したり、賃貸契約ができると詐称する部屋を、テレビ電話等を利用し見せたりすることもあります。
この様な被害に遭わない為にも、まずは住居が実際に存在することを確認するために直接住居の内見を行うことが必要です。内見を行わずに事前にデポジットを支払うことはリスクが伴います。このような詐欺被害に遭わないためにもしっかり情報収集を行い、信頼のおける住宅紹介サイトを利用する等、十分な対策が必要ですので、このような詐欺に遭わないに注意してください。
体験談
私は入試書類を準備しながら(1月)家探しに必要な情報収集を行い、合格発表(4月)が出てすぐに家探しに本腰を入れました。
私は出願前(出願前年度11月)、オランダ在住日本人Facebook コミュニティに片っ端から登録しました。ごく稀に日本人を希望している日本人(たまにオランダ人)家主からのポストがあるからです。日本から同じように家を探している仲間とつながることができるのも良いところです。情報収集をしながら、現地の様子を見ることもできます。
1月ごろに家探しサイトとツール(後述)の中から無料であるものに会員登録をし、情報収集を続けました。
4月に合格発表が出て、晴れてオランダに行けることになりましたが、寝るところはまだありません。毎年何千という学生が家を見つけられずにオランダ留学を諦めています。絶対に見つけてやるぞと炎を心に宿し、登録していた家探しサイトに自分の情報をアップデートしたり、Facebookで詐欺ではなさそう(最重要)なポストを見つけた時にすぐメールできるよう、自己紹介テンプレートを作ってメモアプリに用意していました。実際に使用したテンプレは下に載せておきます。
すると4月中旬、日本人希望の部屋が空いているとの代理ポストを Facebook 上で発見!ポストされた1分後には家主にメールをしました。家の様子は住人が最もよく知っているので、家主に Facebook ポストを頼まれていた元住人(日本からの大学院生)に直接メッセージを送って、家の様子について10分ほど zoom でお話ししました。
5月初旬、家主からリプライが来て、WhatsApp でテレビ電話をすることに。オランダの電話番号でまず安心(国際詐欺の可能性があるので、どこの電話番号かチェックしましょう)。自分が気になる質問(住民登録はできるか?家の掃除頻度?部屋に備え付けのものは?等)を事前にリストアップしておきました。私が住むことになる部屋の様子をテレビ電話で見せてもらいました。
5月初旬、家主からメッセージが来て、2年住んでも良いとのこと。デポジットを支払うようにお願いが来ました。ここで詐欺かどうかを見極める最終チェックが必要です。私の場合はお話しした日本人の元住人の方がかなり優しく信用がおけたのと、家主の Facebook プロフィールが本物であったこと、質問をするたびに丁寧に答えてくれ、電話も2-3回ほどして説明してくれたことがあったため、詐欺ではないと確信(残念ながらここまでする詐欺業者もいるようです。気をつけて下さい)、デポジットを支払いました。するとすぐにその家に住む住人のWhatsAppグループに招待してもらい、質問があればなんでもして良いと言ってもらえました。
8月下旬、オランダ渡航。部屋を見るまで詐欺かわからないのでドキドキしていましたが、無事家に到着し、温かく迎えてもらうことができました。
1 家主は日本人ではないため、元住人の日本人Facebookユーザーにポストを頼んだそうです
2 周りの留学生友人から、オランダについたら家がなかった(デポジットを払った住所がなかった)詐欺ケースを聞いていたので、オランダに着くまで安心ができませんでした。
実際に家主に送ったメール
Hi! (家主の名前がわからなかったのでHI!でいきました)
I hope this email finds you well. I came across your listing for the available room though ○○(Facebookポストで家を教えてくれた元住人), and I wanted to express my interest in renting it.
(自己紹介)I am a Japanese graduate student who will be studying at ○○ University from September 2024 to August 2026. As I will be relocating to the Netherlands around September 2024, I am actively searching for suitable accommodations.
(なんであなたの家が良いかアピール)Your description of the property, located in a tranquil residential area just a ○○-minute bus ride from ○○, sounds ideal for my needs. Additionally, your attention to maintaining a clean and spacious living environment is greatly appreciated. I believe that my preference for cleanliness aligns well with your living standards.
(あなたの家これだけ私にフィットしてますアピール)I am also intrigued by the fact that you have incorporated Japanese-style interior design elements into the house, which I believe will make it feel like a home away from home for me🇯🇵!
(住民登録について、希望を言及)Although I understand that registration at the address is only possible for short-term stays this time, I am still very interested in exploring the possibility of renting the room for the duration of my studies.
I would like to inquire about the availability of the room starting from September 2024.
I look forward to hearing from you soon and discussing the possibility of renting your room.
Thank you for considering my inquiry.
Warm regards,
(フルネーム)
オランダでの家探しは根気と情報収集が大事ですが、様々な情報を活用し、慎重かつ積極的に行動することで、きっと良い住まいが見つかるはずです!応援しています。
スイス編
家の探し方・契約までの流れ
基本的にアパートの申し込み書を手に入れるために内見に行く必要があるので、日本にいながら長期滞在先を契約することは難易度が高いです。1ヶ月〜3ヶ月程度仮の滞在先を確保しておいて、現地についてから内見→申し込みで大家さんにOKをもらえるまで繰り返す、というのがよくある流れです。最初は普通に物件を検索して掲載物件の内見に申し込んでも、「内見申し込みを締め切りました」等と言われてしまうことが多いです。複数物件サイト(以下参照)でアラートをかけて、条件に合う物件が広告に出たらその日中に内見申し込みをするようにすると、内見に辿り着けるようになる可能性が上がります。所属によっては、ドイツ語の大家さん向けの推薦状を発行してくれるかもしれないので、頼ってみるのも良いでしょう。
物件サイトとしては Comparis、Homegate、Immoscout、Flatfox が代表的です。他にも、Facebook や Unimarkt でも探せます。同居人募集のもの、Studio のもの、期間も sublet から長期まで多々です。それぞれのサイトで、大家さんとは直接やりとりをすることになります。代理店として、Room Estate というものもあります。注意点として、大学の寮は人気があって、希望する入居時期に空いているとは限らないので、早めに動きましょう。
物件の申込用紙などの書類はドイツ語であることが多いです。まれに英語版の用紙が用意されているアパートもあります。内見時も多くのケースで英語で対応してもらえますが、ドイツと同様に集団内見の時はドイツ語のみで行われます。
体験談1
私は同居人を募集しているシェアフラットにいくつか応募しました。ドイツ語での募集に英語で送ってもあまり見込みがなさそうなので、同じように博士課程をやっている、あわよくば似たような分野の人、そして英語で書かれている募集に応募。2箇所から返信があり(両方とも博士課程の女の子でした)、ビデオコール(面接)をしました。何をしているのか、一日のスケジュール、平日と週末、趣味や家でどうやって過ごすのか、みたいなことを聞かれたはず。多分同じような属性の人と住みたかったのだろうなと思います。こちらもなんとなく雰囲気がわかって良かったです。非常に迷ったのですが、最終的に家具付きの部屋にしました。
バーゼルで一番最初に住んでいた家は、自分の部屋の真上に精神疾患を抱えた女性が住んでいました。色々とエピソードはありますが、朝その人の怒鳴り声で目覚める、夜何か呪文のようなものを唱え出す(ドイツ語で理解出来なかったけど、何かを恨んでいることはわかった)、杖のようなもので床をドンドン叩く、など。すぐに引っ越しました。その後は大学の寮に一時期住んでいました。自分のキッチンとトイレ、バスルームがあって、立地は良く家賃も安かったものの、建物が老朽化とプライバシーが気になり、また引っ越し。
体験談2
私は15-20件くらい物件の内見に申し込んで、一件明らかな詐欺に遭遇しました(家主が海外にいるので鍵を郵送する、トリップアドバイザーで幾らか支払って内見予約、家具の写真と家賃が釣り合わない、など。お金を払う前に気づいて無視したので大丈夫でした)。詐欺はそこまで高頻度ではない気がしますが、無くはないので怪しいと思ったらお金を払わない、判断に迷ったら他の人に相談出来そうならそうするのが大切かと思います。
また、他の人の話でアパートに入居してから大家さん or 代理店の対応が杜撰(冬にヒーターのノブが壊れているのになかなか対応してもらえない、など)なことが発覚したこともあるようなので、もし内見で前の住人の人が案内してくれる場合、聞けそうなら大家さんとの間で問題がないか聞くのもありかもしれません。
スイスの物件は、冷蔵庫やキッチンは基本含まれていて、洗濯機と乾燥機はアパート全体で共用というケースが一般的かと思います。アパートによって洗濯物関連のルールが異なる(固定日にしか洗濯できない、空いていればいつでも使っていい、週末に洗濯してOKかなど)ので、内見時に確認しておくのがおすすめです。
フィンランド・ヘルシンキ/エスポー編
フィンランドの家探し事情
フィンランドは人口も多くなく、市が Student Housing のプラットフォームを用意してくれていることが多いので、他のヨーロッパの国に比べたら家を探すのは簡単だと思います。住宅不足もそこまで深刻ではありません。家が見つからないというケースは稀だと思いますが、学生用アパートに住めるかどうかは申請の早さが鍵になります。北欧は物価が高いことで有名。フィンランドは比較的安い方ですが、やはり学生用アパートはプライベートハウジングよりもかなりリーズナブルになります。なるべく生活費を抑えるためには、合格通知を受け取ってから一週間以内には Student Housing に応募するよう心がけましょう。
家の探し方・契約までの流れ
合格直後のオリエンテーション、もしくは大学の Website にも家探しプラットフォームがきちんと掲載されているのでまずはそちらを参照します(例:https://www.aalto.fi/en/services/housing-for-students )。市が用意している家探しプラットフォーム、もしくは各大学が用意しているアパートが見つかると思うので、なるべく早めに申し込みましょう。フィンランドであれば大体どこの市もこういったプラットフォームは用意していると思います。ヘルシンキ・エスポーあたりでは HOAS と呼ばれているプラットフォームがあります (https://hoas.fi/en/ )。
Application Form から、条件(エリア、家賃上限、地上階など…)を指定して申請、あとは待つだけです。アパートを単独で指定することは出来ません。正確には出来なくはないのですが、候補数が少なすぎるとオファーがほぼもらえません。なるべく候補数が多くなるように条件を設定すると良いでしょう。一方で申請条件の変更は何度でも可能なので、家賃は低めに設定しておいて(350€あたりにする人が多い気がします)、6月頃になっても家のオファーが来なければ家賃上限を徐々に上げる (400, 450, 500€…) という戦略を取ることも出来ます。
HOAS のアパートは3人でシェア(キッチン、バスルーム共用)が多いです。Studio は1年待ちが基本なので、完全な一人暮らしをしようと思うと時間もしくは費用を要します。家の申し込みが4月の場合、オファーが来るのは6月〜7月半ばになります。特に新入生が一斉に申し込む時期(9月入居)は申し込みが遅れるとオファーが来ない可能性が高まるので気をつけましょう。家賃の相場は学生用アパートメントだと4万〜7万ほど。家具付きだとやや高くなります。
オファーが来なかった場合はプライベートハウジングに応募する必要があります。日本人コミュニティ等で伝手を見つけられると詐欺などのリスクが減るので安心です。家賃はやや高め(立地や部屋の広さによりますが、7万〜10万ほど?)。現地語は出来た方がいいですが、私の友人はオーナーがアジア人だったので英語で大丈夫だそうです。たまに Student Apartment のオファーが来たものの大学から遠すぎるので断らざるを得ないケースがあります。申請時に居住エリアを確認しておくことはもちろんですが、そうであっても立地が悪いアパートが回ってきてしまう可能性は0ではありません。フィンランド含め北欧諸国は冬を中心に生活基盤を整えた方がよく、寒く暗い、雪深い環境下での通勤・通学に耐えられるかどうかは十分に検討しましょう。人によっては大学近くのホステルで生活しています。
SubLeasing
特に夏の間、インターンやサマースクールで別の国に行っているからアパートを空けているという学生は非常に多いです。そういった部屋は大抵 Subleasing に出されており、大学が用意しているプラットフォームや Facebook 、コミュニティ間で見つけることが可能です。例えば8月中旬から渡航するけれど9月入居のアパートしか取れなかったという場合に、ホテルだけでなくこうした Subleasing されている部屋を探すというのも一つの手です。
生活面
前の居住者と連絡が取れた場合、交渉して家具をそのまま譲り受けることができることがあります。フィンランドではセカンドハンドが主流で、お店はもちろん大学内のチャットグループやプラットフォーム (https://www.tori.fi/、メルカリみたいなイメージです)など中古品を安く購入できる場が多く設けられています(もちろん要らなくなったものはそこで売ることが出来ます)。基本的に安全面は良いのですが、たまにトラブルもあります。私はそこで使えないルーターを買わされました。無料で give away するチャットグループもあります。配送してくれるかどうかは出品者次第です。〇〇までだったら届けられるよ、と言ってくれることもあれば、出品者の元まで赴いて、自力でテーブルを家まで担いで運ぶなんてこともしばしば起こり得ます。
洗濯機は共用で予約制のところが多いです。共用サウナも多くのアパートに付いているので予約して贅沢に一人で利用出来ます。もちろん友人とも入れます。
マンション内でのトラブル(キッチン汚したのは誰、うるさいなど)に関しては、住居人のチャットグループでクレームを入れたりします。解決できないような問題はマンションの管理チームに連絡します。体感、フィンランドはどこの行政機関も大学も返信が早いので困ったら迷わず相談しましょう。私が住んでいるアパートは目の前にパーティルームがあり、流石に騒音が酷いので引っ越そうと Studio の申請を出していますが全くオファーが来ません。友人曰く、同じアパート内で騒音被害に差があることに不満を呈した住人が家賃交渉して成功した例もあるそうです。
補足
フィンランドで主流のチャットアプリは Whats app ですが、Aalto 大学だけは Telegram を使う傾向にあります。おおよそ全てのコミュニケーションが Telegram 上で行われるため、Aalto 大学に進学予定の方は今すぐダウンロードすることをおすすめします。
スペイン編
家の選択肢と難易度
スペインで家を探す場合は二つの選択肢があります。
- Studio: 一人暮らし. 1DK, 1LDKぐらいのサイズから
- Piso: 数人でのシェアハウス.
Studio の場合は900€ぐらいからあるイメージです。 Piso は複数人で借り上げるパターンと、 一部屋ごとに切り売りされているパターンがあります。初めて家を探す場合は一部屋ごとに切り売りされているパターンが良いと思われますが、大学内で一緒に Piso を借りる人を探している場合もあります。
家探しの難しさについて、マドリードでは家を探すこと自体に苦労している留学生はあまり見かけませんでした。一人暮らしは難しいかもしれませんが、シェアハウスということであれば探すこと自体はそこまで苦労しないのかもしれません。大学によっては寮が用意されていることもあるので利用してみると良いです。
家の探し方
家の探し方は基本的には Idealista というサイトか SPOTAHOME というサイトになります。
- Idealista: 玉石混交で大家さんや管理会社と直接交渉
- SPOTAHOME: SPOTAHOMEの 人が写真などを撮影し、契約までオンラインで完結。
Idealista は現地での内見が必須であったり、スペイン語で交渉する必要がある場面も多いです。また、連絡しても返信が返ってこないなども良くあります。その代わり掘り出し物も多いというメリットもあります。SPOTAHOME は全てオンラインで完結できる点で外国人にとって利用しやすいですが、出ている物件は割高です。現地で落ち着いてきた頃に Idealista を使うというぐらいが良いかもしれません。
体験談
私はこれまで二件の家に住みました.
1軒目: Piso で4人でのシェアハウス。オンラインで事前に仮契約までできるUnidaysというサイトで見つけました. 渡航前に家を決めたかったのでよかったです. 2年ほど暮らしました.
2軒目: Studio で一人暮らし。博士課程に上がるタイミングで奨学金が増額されたこともあり、Idealista で Studio を探しました。スペイン語での交渉はスペイン人の友達の協力を仰ぎました。ただ、コロナ禍から1年後というタイミングでありかなり格安で契約できたので、現在は住宅価格が高騰しており、博士課程の給料では Studio の暮らしは少し難しくなっているようです。
フランス編(特にパリ)
家探しの大まかな流れ
(以下、特にパリに限った話になり、他の地域の家探し事情はわからないことをご了承ください。)
大まかな方法としては、
- 留学先の知り合いやメーリングリストを通じて空き物件を見つける
- パリ国際大学都市の宿舎に滞在する
- 不動産仲介業者(オンラインか現地)を介して見つける
- 大家と直接連絡できるプラットフォームや掲示板を介して見つける
の4つがあります。留学先などの伝手を介して運よく空き物件を見つけられたり、パリ国際大学都市の宿舎に空きがあったりすると良いですが、オンラインプラットフォームを利用する場合、大家さんに連絡を送っても返信がない場合も多いので、根気よく家探しをすることになります。
業者によっては英語や日本語で不動産を見つけることも可能ですが、フランス語を話せた方が物件の選択肢が大きく広がります。また、パリの場合、日本人研究者のコミュニティとしてパリ日本人研究者会やパリ若物会などがあり、こういったコミュニティを利用するのも良いでしょう。
パリ国際大学都市
フランスで学ぶ国内外の学生・研究者を対象にした宿舎が集積している施設です。日本を含む各国の政府や財団が宿舎を運営しています。日本人学生の多くは日本館に滞在していますが、他国館への滞在を申請することもできます。
パリ国際大学都市全体へのリンク https://www.ciup.fr/en/
パリ国際大学都市 日本館 https://maisondujapon.org/accomodation/
ベルギー編
家の探し方・契約までの流れ
家具なしのアパートや Studio を借りて一人暮らしをする場合は、日本と同じように不動産仲介業者を介して、アパートを探して契約することになります。日本でいうところのスーモのように、仲介業者が新しい物件情報を公開するサイトがあります(Immoweb.be や Immoscoop.be など)。 気になった物件は、仲介業者に連絡して内見の予約を取れます。街にもよると思いますが、競争率が高く、かなりの売り手市場なので、条件の良い物件はすぐに内見の予約をした方が良いです。20組が同時に内見する場に遭遇したこともあります。
それぞれの大学が提携している寮や Studio などもあると思います。所属大学のサイトを要チェックです。
フラットシェア
フラットシェアをする場合は Facebook で探す人が多いです。やはり詐偽には注意が必要で、きちんと内見し、大家さんや同居人が怪しい人じゃないか確認してから、契約書すべてに目を通してからサインをしましょう。フラットシェアには同居人との相性も欠かせないので、住むことを決める前にお互いのライフスタイルについてよく話し合った方が良いと思います。Facebook で1, 2ヶ月など短期の部屋を借りて、生活の勝手がわかった状態で、新しい場所を探す、という人も多いです。
生活tips
賃貸契約を交わす前に、AからGで区分されたEPC (Energy Performance Certificate)というものを受け取ります。EPC が良い (A, B…) と月々の電気代が安くすみます。その分、毎年の indexation による家賃の再計算で、EPC の悪い (…E, F, G) 物件には異なる計算方法が儲けられ、家賃が極端にあがらない仕組みになっています。(毎年ルールが変わっているようです。政府のサイトなどでチェックしてください。)
トラブル対処
私の大学 (KU Leuven) には、学生センターのようなところ (Stuvoと呼ばれる) があり、大家さんや同居人とのトラブルがあったときに、助けを求めることができます。私も利用しましたが、オランダ語の契約書を読んで法律に基づく判断をしてくれたり、不動産業者や大家への連絡を手伝ってくれたりしました。
その他の体験談
体験談1(スペイン(マドリード)・チェコ(プラハ)、フランス(ナンシー))
ナンシーとプラハでは、先に現地に住んでいる人とフラットシェアすることを決め、その人に家探しをしてもらいました(土地勘があったり、内見に行ってもらえる)。フラットメイトは友達からの紹介やFacebookの在外日本人グループなどで探しました(Facebookには日本人のグループのみならず、外国人などが家を探すグループなどがあるのでそれを活用しました)。プラハは入居希望の1か月前にアパートが公開されたりするのでギリギリまで粘っても良いかもしれません。プラハの寮はどの大学も基本ベッドルームシェアなので私はアパートを探しましたが、寮の方が圧倒的に安いです。
一般的な家探しのプラットフォームとして https://www.spotahome.com/ が色んな都市の物件の載せているものがありますが、現地語のサービスより割高そうな印象があります。家探しをオンラインで完結させると詐欺られる可能性が高いので避けたほうが良いです。フラットシェアの場合は他の住人の性格も重視します(違う文化圏の人と暮らして疲れたので日本人を探した)。私は内見などをしたいので早めにその町に入って数日から数週間くらいホテル/Airbnb 暮らしをして入居する部屋を決めるか、もしくは引っ越す数か月前にその町に下見に行くようにしています(ただしこれはすでにヨーロッパ内に住んでいるためできたこと)。オーナーなどは現地語しか出来ない場合も多いので、現地語できる友達を連れていくと良いです(現地の平均価格などを知っている人だとなお良し、カモられない)。簡単なのは寮ですが、希望の寮に入れないこともあるので、アパートやシェアフラットも見ておくことをお勧めします。
体験談2(イタリア(トリノ))
私は、エラスムスプログラムというヨーロッパの大学を複数巡りマルチプルディグリーを取得するプログラムで勉強しています。1学期はフランスのサンテティエンヌ、2学期はイタリアのトリノ、3学期はノルウェーのイエービクです(4学期は未定)。そのため、引っ越しのたびに新しいアパートを契約します。フランスでは大学斡旋のアパートに入居したため苦労しませんでした。一方、イタリアのトリノ工科大学では、長期留学の学生向けに寮を貸し出しておらず、自分でアパートを契約する必要がありました。イタリアはアパートの供給が追いついていないため、常に住宅不足で家賃も高騰しています。特に、多くの学生がアパートを契約する4月や9月は条件の良い物件から埋まっていきます。そのため、留学生がアパートを見つけるのは大変です。
私の場合、2025年の2月からイタリアのトリノ工科大学で勉強することが決定していたので、2024年の11月あたりから物件探しを開始して、12月中旬には物件の契約をしました。アパート探しの際に利用したのは、Spotahomeという不動産仲介websiteです。手数料が数万円と高いものの、このwebsiteに情報を掲載している大家さんはチェックを受けているため、詐欺の可能性は限りなく0に近いといえます。また、初月家賃は不動産仲介業者に払うという仕組みであり、アパートの条件がwebsite掲載情報と大きく異なれば返金申請ができます。
私がアパートを探す際に重要視していたのは、①治安のいい場所にある②家賃③シェアアパートの人数とパスルーム数です。特に、①は力をいれて調べました。インターネットで「zone pericolose a Torino」と調べたり、トリノ在住イタリア人に聞いたり、Google street map で雰囲気を調べたりしました。Google street map で道路状態や落書きのありなしを確認することで、その地域のガラの悪さが分かります。ヨーロッパの基準で治安が良いとされる地区も、日本の基準ではガラが悪いような場所が山ほどあるので、自分の直観を信じて、雰囲気が悪そうなところは除外しました。
しかし、そのようなことに時間をかけすぎた結果、第一志望と第二志望だったアパートはすでに入居されてしまいました。。。(自分も含めた)優柔不断と自覚しておられる方は、完璧な物件を見つけることはできないと理解して、できるだけ早くアパート契約をするのが吉です。そして住むことになったアパートは、光熱費込み7人のシェアアパート、バスルーム2つ、大きめのキッチン一つの、月585ユーロです。同居人は、イタリア、ドイツ、インド、ルーマニア、ポーランド、メキシコと様々です。