XPLANE SoP執筆支援プログラム座談会(2023年度の留学志望者とメンターにインタビュー)【XPLANE TIMES特別企画】

Generating ideas/Organizing ideasの重要性

もう1つアメリカの話と違うなと思っているのは、アメリカは「自分がどういう研究をしたいかが自分の中であって、その周りを見ていく」という情報の探し方が多いと思うのですが、私はどちらかというとより受け身な探し方でした。なんとなく「自分はこういうのやりたい」という考えはあるけど、どういう研究をしたいかまでは進んでいなくて。プロジェクトごとの募集で「どういう仕事の内容があるよ」というのを言ってもらえて、そのうちどれに自分がマッチしてるかを探すというヨーロッパ式が楽だったというか、私には合ってたのかもしれないなと思います。

なるほど。それを聞いて思ったんですが、SoPでも型は使えるけれど、アメリカとヨーロッパの大学向けで指向が違うというか。プロジェクトベースだったりする中で、XPLANEで載ってる一般のリソースとも少し違うストラテジーが必要ですよね。

やっぱりアメリカのSoPは「大学の学科に申し込む形の受験」ですよね。自分の経験をつらつら述べて、何個か希望のラボを上げて「自分にマッチしてます」みたいな。「最終的にこういうキャリアを築くために、ここで勉強するのが一番いい」といったテンプレートのようなものが何となくあるじゃないですか。自分のキャリアを積んでいくための一段階としての教育的な部分を結構重視するという感じがするんです。一方ヨーロッパの博士はプロジェクトごとに人を募集して、求められている能力や経験もそこで決まっているという印象があって。だからSoPでも、プロジェクトのrequirementに自分がマッチしてるというのをちゃんと書く必要があると思うんですよね。SoP書くって点に関してアメリカ受験とヨーロッパ受験でそこは結構違うところかなと思いました。

私としては、「SoPを実際書く」という段階の文章の構成とか、何の内容をどう書くかとかそういうことは違うと思うけど、大枠として「なぜPhDをやりたいか」とか「どうしてこの分野を選んだか」とかの部分の考えを固めていくことは一緒だと思います。SoPプログラムの1回目や2回目のミーティングで金子さんとお話しさせてもらって、その考えを固めていく段階を手伝ってもらえたのがすごくよかったし、それはアメリカでもヨーロッパでも何も変わらないのかなとは思いました。本当にPhDやりたいのか、なぜやりたいのかっていう点が自分で考えるだけでは曖昧だった自覚があったのですが、それを人と話す中で、文章に落とす中で自分のことを理解していくこともできたのがすごく良かったなと思います。

なるほど、最初のミーティングとかで「なぜこういうことをやりたいのか」っていう指針を明確化できた点では支援が上手くいったっていう感じですかね。

すごくありがたかったです。例えば金子さんが「SoPプログラムで配ってもらった教材を一通り埋めてみるのはどうか」と言ってくださって。それを一通り埋めてみたら、あまり自分でもパッとしない感じだったのですが、「そこをもう少し詳しく変えていったらいいんじゃないか」とか「自分に合った、私だけの考え方は何なのか見極めたいんじゃないか」と言ってくださって。それが自分のやりたいことを考えるのにすごく役に立ったので、良かったなと思います。

それは何ていうか、ありがとうございます。確かSoP支援の教材パッケージの中に「アイディアを考える (Generating ideas)」みたいなドキュメントがあって、それを活用した感じでしたね。確か、初回にいくつか埋めてもらって。やっぱり良いSoPやエッセイは、「他の人が書けない、テンプレ感がない」のがやっぱりいいのかなと思うので、 ひろみさんらしさというか、その人の個性が見えるように、目標とかに具体的な要素を入れていくといいんじゃないかなっていうのは言ったかもしれないですね。

SoPプログラムから提供している、Generating Ideas向けの教材(抜粋)

あと、最初に金子さんがどの部分に時間を割きたいかっていうタイムマネジメントのことを聞いてくださったんですよね。その時点で私はまず受験をしたいかどうかっていう所から曖昧な自覚があったから、自分の考えをまとめる最初の部分に時間をかけたいという自分の意思を伝えて、そこに時間をかけたというのもありますね。

メンターとしては、自分がアメリカの方の経験だけだったので最初は想定と違う感じで戸惑いましたが、ひろみさんがいろいろ情報を共有して「こういう支援をしてほしい」という形を結構やりやすくしてくれてたので、そういう意味ではありがたかったかなと思います。

次:SoPプログラムの各制度についてと、これから出願する人へのメッセージ

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