海外大学院生の一日の過ごし方【XPLANE TIMES 留学生活だより】

本記事はXPLANE TIMES(ニュースレター)第5号(2024年10月12日発行)内の連載企画『留学生活だより』に掲載された記事です。
海外大学院生は、毎日どのくらい勉強・研究をして、どのくらい自由な時間を過ごしているのでしょうか? 今回は、異なる国や専門の大学院に在籍するXPLANEニュースレターチームのメンバーに、日々をどう過ごしているか共有してもらいました。海外大学院入学後の生活のイメージをする際に、ご参考になれば幸いです。

1. 回答者のバックグラウンド

アイコン専門学年主な仕事
アメリカ生態学2年授業・TA・RA
アメリカ材料科学工学2年授業・TA・RA
カナダ情報メディア2年授業・TA・RA
ドイツ生物医学3年研究
アメリカ教育学5年TA・研究・就活

2. 一般的な平日の過ごし方

a. タイムスケジュール

まず、平日の大まかなスケジュールを教えてください。どれくらい寝てどれくらい勉強や研究をされているんでしょうか。

寝る時間と起きる時間は、皆さんバラバラのようですね。そして、19時ごろまで大学で作業する方もいれば、日が高いうちに帰宅して家で作業を続ける方もいるようです。次に、大学での過ごし方について、より詳しく伺いましょう。

b. 大学/ラボでの過ごし方

皆さん、授業はあるんですか? 博士課程2年目の皆さんはどうでしょうか。

今学期は授業が週3で入っています。

今は授業が3つあります。

授業は一つだけ残ってるので、週1日だけ。博士だけの小さい規模の授業なので距離感は近いです。

博士課程後半のお二人はどうですか?

授業は取り終えているので、なしです。

授業なしです。ドイツの博士の場合、日本のように明確に修士課程と分かれているため、博士課程を通して授業は基本的にないです(参加必須のセミナーなどはありますが)。

研究室関係のスケジュールや交流はどうなっていますか?

研究室でメンバー全員参加のミーティングが週1~2回あります。PIとは週1回one-on-oneのミーティングしていますが、やりたければ都度何時間でも相談に乗ってくれます。研究室メンバーとのディスカッションはやりたい時にspontaneousにやります。小さいものも含めるとかなり頻繁です。

できたばかりの小さいラボなので、PIと話す頻度はかなり多いです。ラボのミーティングは週に1回で、別ラボのミーティングにも週に1回参加しています。PIと直接話す機会は週に1回ですが、他にもほぼ毎日ラボで雑談したり、夫もPIをしているのでそちらのラボのメンバーと一緒に家に招待してくれたりします。研究室メンバーとはほぼ毎日会話しますが、研究のディスカッションと雑談が半々くらいです。

ラボの風景(ネコさん提供)

研究室は2つのグループに所属していて、8人ぐらいの小規模のグループでは週1、15人以上の中規模のグループの方では隔週でミーティングしています。PIとのミーティングは隔週でスケジュールをするも、たまにPIの予定が変わって3週間あくことも。小規模グループのオフィスは小さめなのもあり、1日最低1回は質問やおしゃべりをします。中規模グループのオフィスに行くと、大体1時間に1回だれかしゃべっていて、質問しやすい雰囲気です。

RAのミーティングが週1回、プロジェクト全体のミーティングが月1回あります。PIとは基本月2、3回、多い時には週1回ミーティングしてます。軽くキャッチアップする感じで話す事もあれば、研究のことを1時間以上話してることもあります。同僚とはみんな仲良くて、ほぼ家族みたいな感じです。研究室自体はないので、研究に関する話は研究分野が近い人か同じ研究プロジェクトのメンバーの人と話すぐらいです。

ニュースレターチームの面々が羨んだ、開放的なオフィス(ウサギさん提供)

研究室という概念がないので、研究室ミーティングはありません。TAをしているので、指導教員とは一応1週間に2度は会っています。研究や博士論文に関してしっかり相談する場合は、その都度ミーティングを設定します。同僚とのディスカッションはほぼしません。

ちなみに、帰宅後や週末も研究はされますか? 「基本的にしない派」の方、どうぞ。

帰宅後や休日の作業はあまりしません。論文や総説を読んだりスライドを作るくらいです。

週末2日は研究も作業もしない方針にしてます。ただ、締切が近い時だけは例外で作業しています……。

週末は、基本的に「土曜は昼以降休み、日曜日は一日休み」という方針です。ただ、採点業務があったり、締切があったりする場合は引き続き作業します。

授業の課題や学会発表申込みなど、締切は色々ありますからね……。他の方はどうですか?

休日の研究は、やる気が出たらやります。コアタイムがなく休む日と働く日の決め方が自由なので、なんだかんだ土日に研究や論文執筆して平日にやる気がなくなって休んでることが多いです。

平日にダンスのリハーサルなどであまり研究できないと感じた週は帰宅後や休日もやります。

自分でスケジュールの調整ができる分、休日を上手く使って研究を進める方もいるようですね。

3. 休日の過ごし方

休日の話が出ましたので、休日の大体の過ごし方も教えてください。

家にこもって漫画読んだり、日本の友達と通話したり、ゲームしたり、仕事しようとして結局できなかったり。森や湖など自然がきれいなところに行って仕事をしたり鳥を見たり。最近は車で遠出して日本人教会に行ったりしています。キリスト教徒じゃなくても参加できるので、主に日本語を喋りたいという動機で行っています。

休日は、料理・掃除、洗濯など家事全般をします。それから友達や同僚とホームパーティー。あとは趣味と散歩、近くに公園や自然豊かな所も多いので、外出るだけで気分転換になっています。冬は寒いので家で過ごす事が多いです。

休日は自然を探索することも(ネコさん提供)

誰かの家に集まって何か(パーティー、アニメ鑑賞会、人生相談会)をしたり、家に篭って趣味/勉強/テレビゲームをしたり、演奏会に参加(聴衆or演者として)します。

ホームパーティーの様子(シカさん提供)。

ホームパーティーとはお洒落ですね!他の方々はどうでしょうか。

土曜朝ダンスのクラスに行くか公園で外来種を取り除くボランティアをし、買い物をして、午後や夕方何かしらのイベントに行きます(ダンスの公演を見に行ったり、ペルーなど他国の文化がテーマのイベントに行ったり、日本人学生の集まりに行ったり)。日曜はいつも朝洗濯物をして、たまに日本人教会に行きます。学期中は宿題をします。友達と会うこともあります。掃除やガーデニングも。うちの地域は冬寒い分、夏にたっくさんのイベントがあるので、湖の周りでローカルアーティストが作品を展示・販売するアートフェスや家々のポーチでバンド演奏など、毎週やることが変わります。

休みの日のカヤックの様子(イヌさん提供)。

休日は、家事、映画等趣味、あるいは友人とご飯/作業ですね。

なるほど、溜まった家事を片づける、という方もいらっしゃいますね。それから自然の中で過ごしたり、友人と過ごしたりと、アクティブな方も。皆さん思い思いの時間を過ごされているようです。

4. 食事

ところで、身体が資本の博士課程。食事はどうされていますか? まずは朝食から伺いましょう。

食パンとかシリアルなど軽いものを食べます。

納豆ご飯など軽いものです。

食べないか、米にふりかけをかけたものなど軽く。

ベジタリアンソーセージ、ちょっとしたトマトなどの野菜、果物とヨーグルト、オートミールを食べます。

基本時間ぎりぎりなので、トースト、果物、オートミールなど軽食が多いです。

皆さん、朝は軽めに済まされるようですね。昼食は大学で召し上がるんでしょうか?

お昼は食堂です。ビュッフェ形式ですがとんでもなく不味いので、ほとんど量を取りません(€2-3程度)。一人で済ますときと、ラボメンバーと一緒に食べるのが半々くらいです。

作り置きしたカレーやハヤシライスを食べることが多いです。

大学の学食で食べます。重さを測ってお金を払うビュッフェ形式のものを頼むことが多いです。$10程度。抜くことも多いです。

前夜に作っておいたおかず(アジア系の野菜炒めに卵、ツナ、たまにエビや鮭など)と白米orパン、その時の気分によって主食は変えます。フルーツやナッツも食べます。

昼食べすぎると眠くなるので、おにぎり・サンドイッチなど軽めな物が多いです。あとは研究オフィスにドーナッツやマフィンなどのお菓子があればそれを食べてます(笑)

持参あるいは自炊、という方もいらっしゃるようですね。夕食についてはいかがですか。

自炊ですね。

自炊です。

自炊です。

早く帰れたら自炊、早く帰れなかったら昼と同じく学食で済ませています。学内でのイベントで無料でごはんが貰えることが多いので、そういうのを巡って夕食にしてることもあります。

昼と似ています。週1で無料でお弁当を配布してくれる団体があるのでそれを結構活用中です。

皆さん、夜は自炊が基本のようですね。朝・昼・晩を通してみると、比較的ご飯派の方と、比較的パン(洋食)派の方に分かれるようです。ちなみに外食(学食以外)は、ほとんど行かない方から月に2、3回という方に分かれました。1度の外食にかかる値段は20~30ドル程度(アメリカ、カナダ)、15~30ユーロ程度(ドイツ)、という回答でした。
あまり外食しない理由は何でしょうか。

美味しくないので行きたくないです。自炊の方が何倍も美味しいですね。

どうしても日本円に換算してしまうので、一食だけで3000円を超えることにストレスを感じて外食はほぼ行きません。別にそこまで美味しくないのになぜこの値段…と思ってしまいます。

味と値段の関係で、外食から足が遠のくようですね。

5. まとめ

今回は、ニュースレターチームのメンバーに、日々のスケジュールを共有してもらいました。起きる時間も、大学にいる時間もバラバラで、決まった型はありませんでした。ただ、皆ずっと研究や勉強をしているわけではなく、友人との時間を過ごしたり、趣味を楽しんだりしているということがわかりました。仕事と生活のバランスがとれていると言えそうですね。留学を始めたばかりの方々や、これから留学をしようと考えている方々にとって、大学院生活を思い描く際の情報源となれば幸いです。

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