TOEFL
TOEFL
1. TOEFL/IELTSとは?
海外大学院受験を目指す、もしくは興味のある学生なら必ず聞いたことはあるであろう英語試験、TOEFL(Test of English as a Foreign Language)に関する情報をここでは紹介していきます。
TOEFLの概要、種類、受験費用等細かい情報はETS(Educational Testing Service)の公式サイトに詳しく記されているのでそちらをチェックしてください。
ここでは、TOEFLが海外大学院留学においてどのような位置付けなのか、大学院合格のために何点取る必要があるのか、現役の大学院生がどの程度の点数を取って合格を勝ち取ったのか、などを簡単に解説していきます。
TOEFLと同様に広く用いられている英語力検定としてIELTS(International English Language Testing System)があり、IELTS preferredと募集要項に明記されている大学もあります(MIT Mechanical Engineeringなど)。ここではアメリカ留学でより主流なTOEFLを中心に解説しますが、TOEFLでスコアが伸び悩む場合にIELTSへ切り替えるという戦略も近年は一般的になりつつあります(後述)。
【2026年1月21日からTOEFL iBTが新形式に】
2026年1月21日より、TOEFL iBTは大幅にアップデートされました。主な変更点は以下の通りです(2026年7月時点、詳細はETS公式サイトで要確認)。なお1月20日以前に受験した場合は旧形式・旧スコアの扱いとなり、大学側も出願要項でこの日付を境に基準を書き分けています。
- アダプティブ方式の導入: リーディング/リスニングで、前半の正答状況に応じて後半の問題難易度が変わる方式(multistage adaptive)になりました
- 解答時間の短縮: 各セクションの解答時間の合計が約90分(リーディング30分・リスニング29分・ライティング23分・スピーキング8分)になりました。ただし機材確認や導入説明を含む試験全体の所要時間は引き続き約2時間とされています
- スコア表示の変更: スコアスケールが1〜6のバンドスコア(0.5刻み)に置き換わりました。移行措置として、2026年1月21日から2年間は各スコアレポートに従来の0〜120の参考値も併記されます
- 出題内容の変化: アカデミックな文章に加えて、SNS投稿やEメールなど日常・実用的な英文も出題されるようになりました
- スコア報告の迅速化: 受験後72時間以内にスコアが確認できるようになりました
また、受験料は2025年4月に改定され、日本ではUS$195(それまでのUS$245から減額)となっています(為替・改定により変動するため要確認)。
大学側の要求スコアが新旧どちらのスケールで表記されているかは移行期間中は特に紛らわしいため、出願要項のスコア形式を必ず確認しましょう。以下の本文では、これまでの受験データとの比較のため従来の120点満点スケールを用いて解説します。
2. 出願書類としてのTOEFL
一般的に、TOEFLは学生の選考過程の足切りとして使われるといわれています。各大学の出願要項をチェックすると選考対象になるための最低点数が明記されています。
この足切りの点数は各大学によって異なり、例えばMIT AeroAstroでは足切りのラインがiBTで100点と設定されている一方、Caltechでは最低点が設定されていません。またStanfordは大学院全体の最低点を90点(2026年1月21日以降に受験した場合は新スケールで4.5)と定めたうえで、各プログラムがこれより高い基準を設定できるとしています。志望プログラム個別の要項まで確認が必要な例です。
理系大学院への進学を目指すのであれば100点以上を取っておけばトップスクールも含めて足切りに引っかかることはほぼありませんが、自分の志望する大学の出願要項を必ずチェックするようにしましょう。
大学によっては合計点数だけではなく各項目の目標点数も指定しているところもあります。
例えばUCLAだと、全学の足切り合計点数はiBTで87/120(2026年1月21日以降に受験した場合は新スケールで4.5)と定められており、項目ごとの最低点は専攻によって設定される場合があるとされています。志望専攻の要項まで確認しましょう(時点により変わる可能性があるため要確認)。
さらに、合計点では足切りを上回っているものの、Speakingの点数が少し足りないといった場合で大学院に合格した場合などで、入学後に追加で課題が課されることがあります。UCLAの場合、合格者でも総合スコアが100点未満(新スケールで5未満)またはIELTS 7.5未満であれば、入学時に英語のプレースメント試験(ESLPE)を受けることが求められます。
特にSpeakingの点数が足りない場合、大学院生が担うTeaching Assistant(TA)の業務に支障をきたすということで、英会話のクラスを一学期受けるもしくはTA用の英語試験に合格するといった課題を学部から課されることがあります。先ほどのUCLAの例では、TAを務めるための英語要件を免除されるにはSpeakingで28点以上(新スケールで6)が必要とされています。
合計点だけではなく各項目にも最低点が設定されているかをしっかり確認しましょう。
最悪のケースとして、Speakingの点数が足りず大学側がTAのオファーを出すことができず、追加の英語試験に受かるまで給料が貰えない、ということが実際にあります。
日本人学生が一般的にスコアを落としやすいSpeakingの項目にも力を入れて対策を練り、足切りラインを超えることを目指しましょう。
もちろん、上記の足切りの点数はあくまで「目安」です。例えば先ほど100点が足切り点数となっていたMIT AeroAstroは、Fall 2018当時に合格者のTOEFL平均点が111点であると公表していました(この統計は現在は公表されていません)。足切りラインぎりぎりよりも、余裕を持ったスコアで出願している合格者が多いということです。
また珍しい例ですが、足切りの点数に届かなくても他の出願書類で評価してもらって合格まで漕ぎ着けたという事例もあります。
選考プロセスが進むにつれて、どこかのタイミングで出願先の研究室の教授や学生とオンラインで直接話す機会があります。
結局は英語もコミュニケーションツールの1つなので、そういう機会にしっかりと自分の英語力を相手に示すことの方が大切です。
先ほど述べたSpeakingも含め、まずは志望大学に合格するために必要な点数を調べ、その点数を目標に勉強をしていきましょう。
3. 先輩たちのスコアメイク実例 — TOEFLに固執しない
XPLANEに寄せられた受験記を読むと、TOEFLで伸び悩んだ末にIELTSへ切り替えて出願に漕ぎ着けたという例が目立ちます。実際の経緯をいくつか紹介します。
いのうえさんは、修士2年時点でTOEFL iBT 54点からスタートしました。就職後に平日20〜24時+土日8時間の勉強とTOEFL専門塾への通学を半年続けて79点まで上げたものの100点には届かず、問題の傾向を分析してIELTSに切り替え、Overall 6.5を取得して出願しています。「TOEFLに固執するより、IELTSやDuolingo English Testなど他の可能性に切り替えることも大事」というのがいのうえさんからのメッセージです。
スコさんも、TOEFLの点数が思うように伸びずIELTSへ切り替えた一人です。体感として「TOEFL iBT 100よりIELTS Overall 7.0の方が易しい」と述べており、初受験のOA 6.0から2回目6.5、3回目で7.0と、約半年かけて段階的にスコアを伸ばしています。
りんさんは、交換留学経験者にもかかわらず8月から12月にかけて毎月計5回TOEFLを受験しても100点に届かず、最終的にIELTS 7.0とTOEFL iBT 96のうち基準を満たす方で提出しました。「結局足切り程度にしか使われず、面接の際に英語力も含めて全般的に見られているようだった」という振り返りは、スコアメイクに悩む方への良いリマインダーです。
すみこさんはTOEFLを計6回受験しており、終盤でETS公式のPrep問題を購入してWriting・Speakingを対策したことを紹介しつつ、受験料がかさむため無計画な複数回受験は避けるべきと注意を促しています。
一方、本田さんの受験記では、米国トップ公衆衛生大学院の多くがIELTSでも出願可能(目安 Overall 7.5、一部例外あり)だったことが紹介されています。最初からIELTS前提で戦略を組むのも一つの手です。
TOEFL・IELTS・Duolingo English Testなど、志望校が受け付ける試験の中から自分に合ったものを選ぶという視点を持っておきましょう(受け付ける試験の種類は大学・プログラムごとに異なるため要確認)。
4. 現役大学院生のTOEFLスコア分布
受験を目指している又は興味のある皆さんが気になるのは、先輩にあたる現役米国大学院生が出願時にどれだけのTOEFLスコアを取っていたのかだと思います。
以下のグラフは全米各地の日本人大学院生93人からとったアンケート結果を元にしたものです(旧形式・120点満点時代のデータである点にご注意ください)。

全体93人のうち約半数が100点以上のスコアを出願時にとっていたことがわかります。
101-105点が最も多い分布、次いで96-100点台、106-110点台となったことから、多くの理系大学院でTOEFL足切りの基準として設定される100点を目安に勉強をしていた人が多いといえます。
ほぼ同じ母集団(94人)に、大学院出願以前の留学経験の有無に関してもアンケートをとりました。

約36%が1年以下、17%が1年以上、11%が1ヶ月以下の留学経験者という全体の6割以上が過去に何らかの留学経験をしているという結果となりました。
短期、長期関わらず海外での学生生活の経験が大学院受験を志すきっかけの1つとなっているのかもしれません。
一方で全く留学経験が無い人も全体の20%を占めており、この文章を書いている筆者自身も全く留学経験が無いまま大学院で初めて長期海外生活をすることになりました。
留学当初は研究、授業に加えて海外生活での様々な苦労がありましたが、アメリカ大学院の特徴の1つとして世界各国から学位を取りに来る留学生の多さがあります。
日本から進学する人数が少なくても、同じように他国からアメリカに留学してきた留学生たちとは多くの苦労を共有してお互いに助け合いました。
英語に関しても、留学生の話す第二言語としての英語はネイティブ英語話者のそれと比べて聞き取りやすいということもあり、留学生の友達を沢山作ることが英語力上達の近道とも言えるかもしれません。
日々の英語学習に使えるアプリについては、留学中のメンバーが実際に使っているものを紹介した記事もあります。
TOEFLの点数はあくまでも「通過点」です。英語を使いこなし第一線で活躍する自分自身を想像して英語の勉強に励みましょう!






