渡航前の薬、病院関係の準備【渡航ガイド】

渡航前の薬、病院関係の準備

(2023年7月時点での筆者(アメリカ・シカゴに留学中)の周りの地域の情報がメインです。
本ページだけでなく、各大学などのホームページや自分の留学先地域の情報を必ず調べて参照してください)

目次

1. 渡航前の薬・病院・コンタクトの準備に関する体験談・疑問

2023年2月にXPLANEコミュニティで留学経験者に向けて実施したアンケートでは、渡航前の薬・病院・コンタクトの準備に関して以下のような体験談・疑問がありました。

  • 規制や流通の観点でアメリカで日本と同じ薬が処方してもらえるか分からなかった。
  • アメリカでは保険等の関係でどの病院でも気軽に受診できるわけではないので、まず主治医を確保するところから大変だった。
  • アメリカだと特に病院にかかるのが非常に高いので、苦労している。また自分の症状を説明するのも少し大変だった。
  • 持病や低用量ピル服用のため、定期的に複数の病院に行っていたため、引き継ぎをどうするか困った。常備薬は渡米前にひとまずもらえるだけもらっていったが、実際はアメリカの方がワクチンやピルが無料だったため、必要なかったかもしれない。
  • コンタクトや歯の治療は高額なので、日本で準備を整えておいた方が良い。
  • カウンセリングを受けるのは海外の方が日本よりも楽なことが多い。
  • 日本だと安価でおしゃれなメガネが多く流通してますが、海外では良い眼鏡や度数入りのものなど、かなり高価格帯になることも多くあります。日本で購入しておくことがおすすめです。

この記事では渡航前に行うべき薬・病院・コンタクトなどの準備についてまとめました。

2. なぜ準備が必要なのか

アメリカなど、海外のいくつかの国ではは日本のような国民皆保険制度がありません。そのため、公的な保障制度により自己負担が30%とされる日本と異なり、自分で医療保険に加入することで医療費を抑える必要があります。多くの場合は大学の医療保険に加入することになりますが、提携しているクリニックでの医療費にしか保険が適用されない、プランごとに保険適用上限額が異なる、プランでカバーされていない治療には保険が適用されない、などの問題があります。
そのため、渡航前に必要な医薬品をある程度準備しておくと、現地で医療行為を受ける機会が減って安心です。

クレジットカードに付帯する海外旅行保険は、帰国の予定が未定の場合でも出国後90日以内は対象になることが多いです。これが使えると、渡航直後の時期に怪我や病気をした際に非常に有用です。
体験談:渡航後1週間で顎を縫う怪我をしたのですが、海外旅行保険を適用することで40万円分の治療費を全額負担していただきました。もちろん現地の保険を使うに越したことはないですが、まだよくわからない時期に日本語で対応可能な全額負担の保険があるというのは気持ちとしてとても楽だと考えています。

3. 処方薬

処方薬の準備

日本で処方されている医薬品は渡航前にまとめて確保しておくと良いでしょう。但し、一度に処方してもらえる量には限りがありますので、渡航直前にもらえるように日程を調整するなどの工夫をしておきましょう。

また、渡航後に類似の薬をどのように確保するのかも考えておきましょう。

留学先の国であまり流通していない薬(例: アメリカだとロキソニンなど)の場合、通常の薬でも持ち込める量などに限度がある場合があります。確認しておくことをおすすめします。

処方箋の準備

日本で処方されている薬と類似のものを渡航先で継続的に処方してもらう必要がある場合は、処方箋の英訳が必要です。この英訳の作成は追加で手数料が必要な場合が多く、作成に数日かかります。予めかかりつけの医師に相談しておきましょう。
(参考までに、筆者がメンタルクリニックで処方されている睡眠薬の処方箋の英訳を依頼した際は、手数料3,000円、受け取りまでに1週間ほどかかりました)

4. 歯科治療

日本では医療保険で基本的にすべての診療科にかかることができますが、アメリカでは保険によってカバーされる診療科に違いがあることがあり、診療科の追加に別途費用が必要になることがあります。特に歯科(Dental)と眼科(Vision)は注意が必要です。

筆者の意見ですが、歯の疾患などは日本にいる間にまとめて治しておくことをおすすめします。歯科治療にかかるお金は日本と比べて大変高額で、保険で全てカバーされないことが多いです。

5. 眼科(メガネ・コンタクト)

例えばアメリカの場合、メガネの購入には検眼医(optmetlist)による処方箋とメガネそのものの代金の両方がかかります。日本で類似のものを買うよりも高額となりますので、日本にいる間に準備しておくことをおすすめします。
一方で、保険プランによってはメガネやコンタクトは保険適応対象になっていることもあり、場合によっては日本よりも安価に準備することができます。加入する保険プランのカバー内容を確認しておきましょう。

6. 生理用品・低用量ピル

アメリカ・イギリスなど海外の多くの国では低容量ピルの普及率が日本に比べてとても高いです。低用量ピルは処方箋が必要となりますが、前述の大学の医療保険に加入した場合は、低用量ピルもプランに入っている場合が多く無料で入手することができます。大学のヘルスケアセンターで手続きをすればすぐに入手可能です。

また、モーニングアフターピル(緊急避妊薬)は処方箋無しで、薬局や大型スーパーにて購入可能です。同様に妊娠検査薬も購入可能です(下写真)。

7. その他の医薬品

漢方薬や湿布など、その他の医薬品でもアメリカでは入手が難しいものがあります。これらも日本のドラッグストアなので予め準備しておくと安心でしょう。一方で、頭痛薬や痛み止めなどは類似のものがアメリカでもドラッグストアで入手可能です(下写真)。

8. 参考サイト

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