渡航•一時帰国の際の航空券予約【渡航ガイド】

航空券

(2023年5月時点での情報です。制度の詳細などは変更の可能性があり、それぞれの方で事情が異なりますので、
必ず本ページだけでなく、航空会社のホームページなどを参照してください)

渡航や一時帰国の際、大きな出費となるのが航空券の予約です。ここでは、航空券を安く確保するためのテクニックや注意点について記します。

目次

航空券を安く確保するテクニック

1. アラートを設定する

航空券の価格は様々な要因によって日々変動します。「火曜日が安い」「出発3ヶ月前が安い」など様々な説がありますが、最も確実なのはプライスアラート(旅程と出発地/到着地を設定して、料金変化があった場合にメールなどで通知してもらえるようにすること)を設定して、航空券の価格に大きな変化があった場合にすぐ気付けるようにしておくことです。

プライスアラートを設定できるウェブサイトの例:Google Flights, Skyscanner, Momondo, Kayak, Expedia

この中で筆者がよく使っているのは以下の3つです。
Google Flight: 細かい条件設定(経由地、航空会社など)を絞った上でアラートが設定できる、速い(下写真)
Skyscanner: UIが良い、網羅している航空券サイトが多い
Momondo: グラフが見やすい、ヨーロッパの航空券に強い

また、Google Flightでは検索結果画面において航空券代の推移を見ることができます。現在の価格が通常と比べて高い/安いのか、今後可能性があるのかの目安を確認するのに便利でしょう。

Google Flightに表示される航空券代金推移グラフ

今後料金が上がる/下がるかという点に関しては、Kayak、Momondoなどが提供している価格予測によるアドバイス機能を利用するのもおすすめです(検索結果画面の左上)。

価格予測をベースとした購入アドバイス機能

2. 旅行会社•航空会社のセールを利用する

旅行会社(アメリカの例だとHISAmnetIACE Travelなど)は多くの海外–日本間の国際航空券を確保しており、特定の時期にセールを行うことがあります。また、航空会社主催のセールも時々あります(例: JAL)。
情報を受け取りたい場合、これらの企業のメールマガジンやSNSなどに登録しておきましょう。

3. 渡航時期を調整する

夏休み(6〜8月)や年末年始(12-1月)などの繁忙期には航空券の値段は高くなります。可能なら帰国日程をずらすことで航空券の値段を大幅に安くすることができます。
ちなみに、渡航/一時帰国の時期が祝日やホリデーシーズンと重なる場合は、その祝日に影響されない地域を経由すると安くなることがあります。例えば、ゴールデンウィークに日本から欧米への航空券を取ると非常に高額ですが、ソウル経由で欧米へ向かう便を取ると見違えるほど安くなったりします(韓国にはゴールデンウィークがないため)。

4. 燃油サーチャージの変更時期を把握する

燃油サーチャージとは飛行機の燃料である石油価格や為替レートの変動に応じて、運賃と別建てでチケット代に加えられる料金のことです。直近の事情を反映するため、2ヶ月ごとに変更されます。
特に2022年は、ロシアのウクライナ侵攻による原油価格の高騰と円安の影響が合わさり、10月には日本から欧州/北米のJAL国際便のサーチャージが片道5万7200円という過去最高額になりました。その後価格の引き下げが続き、最新(2023年6/1〜7/31の発券分)では33400円まで下がっています。

燃油サーチャージの代金は、航空券に搭乗する日付ではなく、発券する日付によって決定されます。従って、例えば5月末時点で8月渡航分の航空券を発券したい場合、5/31までに予約する場合と6/1以降に予約する場合ではサーチャージの引き下げ分(航空会社のホームページなどで確認可能)の差額が生まれます。予約する前に、燃油サーチャージの価格変動幅と変動日を確認すると良いでしょう。

5. 日本⇄ハブ空港、ハブ空港⇄目的地のチケットを別々に購入する

あまり一般的な方法ではないテクニックかもしれませんが、「乗り継ぎの航空券を別々に購入する」という以下の手法が効果的であることもあります。
例えば、2023年8月26日に東京からニューヨークへ留学する場合で考えてみましょう。

以下のように通常の検索を行うと、複数箇所を乗り継いでも東京からニューヨークまでの最低価格は$1214と表示されます。

東京→ニューヨークの検索結果

一方で、ロサンゼルスで乗り継ぎを行うと仮定し、同日の「東京→ロサンゼルス」の便と「ロサンゼルス→ニューヨーク」の便を別で検索すると、以下のように上記の検索では表示されなかった格安のルートが表示されます。例えばZIPAIRの東京→ロサンゼルス便からユナイテッド航空のロサンゼルス→ニューヨーク便に乗り継げば、$457+$199=$656 (注: 別途二便目の荷物代金が$40程度かかります)と、最初の検索の最安値より$500以上安い航空券が取得できることとなります。

東京→ロサンゼルス
ロサンゼルス→ニューヨーク

このように検索の方法によって差が出る理由は、基本的に航空券の予約サイトでは航空連合が同じものによる乗り継ぎ便が表示されるようになっているためです。また、利用者が多い特定の路線のみに適用される割引もあり、それらを別々に予約した場合の合計は、最初から乗り継ぎも考慮して予約した場合の代金と必ずしも一致しません。

なお、さらにテクニカルな方法ですが、以下のような経路も通常の検索で出てこない場合があり、試せばさらに安い航空券が見つかる場合もあります。

  • 乗り継ぎ地で1日以上過ごす
  • 乗り継ぎ地で空港を変更する(例: 成田–サンノゼ便で入国してから、サンフランシスコ国際空港まで移動(バスで1時間程度)し、サンフランシスコ空港から目的地へ)

このような手法の注意点としては、チケットを別々に購入するため乗り継ぎに失敗した場合は完全な自己責任となります。また、原則として乗り継ぎ地で一度荷物を受け取り、再度預ける必要があります(乗り継ぎがANAとUnitedなど同じ航空連合の場合は、チェックインの際に乗り継ぎ便について伝えれば予約が別々でも荷物を運んでもらえることも)。入国審査などにも時間がかかることを考慮し、乗り継ぎには普段以上に余裕を持ったスケジュール設定をしましょう

6. マイルを貯めて購入する

航空券の価格が高い場合でも、マイレージ(飛行機に乗ると貯めることができるポイント)を利用して取得する航空券(特典航空券)なら安い場合もあります。

マイレージはその航空会社または同じ航空連合の航空会社を毎回利用したり、使用額に応じてマイレージでポイントが貯まるクレジットカードを利用したりすることで貯めること可能です。また、航空会社のサイトでマイレージを購入することもできます(稀に、マイレージを購入→購入したマイレージを使用して航空券を予約、とした方が、最初から航空券を金銭で購入した時と比べて安くなることもあります)。

さらに、マイレージを使って予約できるのは必ずしもその航空会社が運航する便に限らず、提携している航空会社の便も含まれます。例えば、同じ日本とアメリカを結ぶJAL便を予約する場合でも、アメリカン航空、ブリティッシュエアウェイズ、アラスカ航空などのマイレージを使って予約することができ、この方が必要マイルが少ないことも頻繁にあります。

また、一部の航空会社では、マイレージを使用して購入した特典航空券ではサーチャージを無料と定めています。これも価格を大きく変える要因です。

特典航空券でサーチャージがかからない航空会社の例:
アメリカン航空、ハワイアン航空、エミレーツ、カタール航空、マレーシア航空、エールフランス航空、シンガポール航空、エアカナダ、ニュージーランド航空、スカンジナビア航空、ユナイテッド航空、デルタ航空など

7. ZIPAIR(アメリカ留学向け)

2020年、JALグループに加わったLCC(ローコストキャリア)のZIPAIR Tokyo(略称: Zipair)が、最近成田-アメリカ間の路線を拡充しています(現在サンノゼ、ホノルル、ロサンゼルス便があり、2023年6月からはサンフランシスコにも就航予定)。

座席指定、機内食、預け荷物が別料金で予約が必要といった注意点はあるものの、純粋なチケット代では他会社に比べて破格の安さとなっています。片道でチケットを取っても割高にならないこと燃油サーチャージが含まれていることも魅力です。

航空券を予約する際の注意点

1. 入国日とビザ記載の指定日に注意!

航空券を予約するためには、まずはビザや大学の規定を確認して渡航日程が問題ないかどうか調べましょう。
例えばアメリカのF1(学生)ビザの場合、I-20に書かれているプログラム開始日の30日前からしか入国できません。

2. 「往復航空券の片道のみ利用」はできない!

渡航用に片道の航空券を探していると、往復航空券と値段が大きく変わらない、それどころか片道の方が高いということに気づいた経験のある方もいると思います。ところが、このような安い往復航空券の価格は往復利用することを前提として割引が適用されているため、「安い往復航空券を買って片道のみ利用」という手法は使えません(ある航空会社の例では、後ほど片道航空券との差額を請求されます)。

3. キャンセル•日程変更が可能か注意!

渡航日や一時帰国では、様々な都合によって日程が変わることもあると思います。
日程変更やキャンセルが手数料なしで行えるかどうかは、航空会社やチケットの種類によって異なります。日程が確定していない、あるいは変更の可能性がある場合、変更やキャンセルの手数料についても確認しておきましょう。

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