アメリカ学部在籍中に何してた?大学院進学の流れは?5名の大学院生たちの学部時代の活動と出願プロセスを大公開!

アメリカの大学と日本の大学とでは学期の始まりと終わりの時期はもちろん、学生が4年間で取り組むことも大きく異なります。現在、アメリカの大学の学部課程に在籍している方の中でも、卒業後は就職か大学院進学かで迷う人も多いことでしょう。そして「大学院に進学するためには大学在学中はどんな活動をしておけばいいの?」という質問を持つ人も少なくないはず。

今回の記事ではアメリカの大学で学士号を取得後、北米の大学院の博士課程に進学した5名の現役大学院生の方々が大学学部時代にどのようなインターンや研究をしたのか、そして大学院出願のタイムラインをご紹介します!分野は以下の通りです。

・生物系

・心理学

・経済学

・航空宇宙工学

・ニューロサイエンス

1. 学部4年生の授業を受けながら大学院出願(生物系PhD課程4年目)

学部時代は2年から4年までNeuroscience系のラボに所属しました。夏季インターン・研究プログラムなどに応募するもどれも不合格だったため、研究経験は上記と実験系の授業のみ。Publicationもなし。

全体の所感として学部4年生の授業をこなしながら出願準備・インタビューなどをするのは相当しんどかったし、とにかく時間がなかったため、どんな研究を博士でしたいのか・そもそも自分のキャリアに博士が本当に必要なのか等あまりちゃんと考えていなかったです。

結果的に合格をいただいてUCLAに進学したことに後悔はないですが、ギャップイヤーを取ることも含めて柔軟に考えても良かったかもしれません。

2. 学部時代から学内外で研究実績を積む(心理学PhD課程2年目)

カリフォルニア大学サンディエゴ校を卒業後、バージニア大学でLab Coordinatorとして働きました。

米心理学PhDはプログラムに入学してからローテーションなどを通して研究室を決めるのではなく、出願時に特定の教授の元で研究するためにアプライするのが主流です。

そのため、事前に「出願します」という連絡を教授に取って(更に教授によってはカジュアルな予備面接をして)から正式に出願、という出願パターンが多いです。

3. 世銀でRAとして勤務後に大学院進学(経済学PhD課程2年目)

学部4年次は、秋学期に博士課程への出願を済ませ、冬休みから春学期にかけてRA職への出願をしました。複数校から合格をいただきましたが、一度研究経験を積みたいと思っていたので、まずはRAの仕事を2年間しました。

RAの2年目にPIと論文の執筆を始めましたが、出願時にWorking Paperとしては出すことができなかったため、もっと早く自分でイニシアティブを取るべきだったと思います。

Northwesternに最初補欠合格したのは、外部奨学金を持っていたことが大きかったので、アメリカの大学院の博士課程に応募する際に、同時に日本の奨学金に応募しておいて損はないと思います。

4. 学部1年生から研究室に所属(米航空宇宙工学修士課程1年目)

学部1年から数値流体力学(CFD)研究室、3年秋学期から自動運転車・高速道研究室に所属しました。特にインターンをせず、学会発表や論文執筆に向けてこれらの研究室でプロジェクトに取り組みました。

学部4年の夏休みから具体的な出願準備を始めました。研究室の教授から「GREの勉強より研究の方で結果出した方がいいよ」と言われたのでGREは単語覚えて1回受けて、TOEFLはどのプログラムも免除されていたので受験しませんでした。出願時には国際学会での口頭発表1回、小規模のものでポスター発表2回、執筆中論文1つの研究経験を積むことができました。

反省点として、研究室選びの時結構選択肢を広げてから出願したのですが、数値流体力学の経験を活かしつつ交通の自動化関係の研究をやりたいという我儘さというか優柔不断さがありました。そのため合格はいくつかもらえたものの奨学金や生活費を出してもらえる教授を探すのに苦労しました。

結果的に、そこら辺も織り込んで受け入れてくれた教授のいるイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の航空宇宙工学科の修士課程に進学する事になりました。学部時代のGPA(3.69)が学科の定める直接Ph.Dに入るための足切り(3.75)に届かなかったため修士での合格になりましたが、修士1年目終了後に教授の推薦で博士課程に移れるそうなのでまた1年後にどうしようか考えようと思います。

(参照:海外大学院受験記2021-#12  「アメリカ学部留学生のアメリカ大学院受験~目指せ! 移動時間から解放された社会~」)

5. 他分野のPhD課程への進学(ニューロサイエンスPhD課程1年目)

学部の間にかなり色々な研究テーマを渡り歩きました。最初の2年間は免疫学の研究をしたあと、後半2年は心理学(言語心理学)の研究を行ったのですが、その中で大学院は人ではなく動物を用いた研究を行いたいと思うようになりました。そのため大学院出願時には心理学ではなくニューロサイエンスのPhDに出願しました。

出願するラボで求められるテクニックの経験がない、推薦状を書いてくれた先生方と出願先のつながりがない(分野が違うため)などの不安はありましたが、SoPでなぜこのように分野を変えようと思ったかについて書き、ハンデをある程度補うことができました。実際、面接時にも「研究経験がかなりバラバラだが、SoPがそれらをつなげている」と評価してもらえました。

学部4年生の春学期は面接で忙しくなることが予想されていたので、その前の学期までに授業はほぼ取り終えて、最終学期は卒業にあまり関係ない、かつ、リモートでも作業できる(録画がある等)授業を中心にとりました。実際、面接では何度も教授たちの前で研究の話をしたり、夜までイベントがあったりと体力が削られるので授業にはほぼ時間を割けませんでした。

最後に

学部生の皆さんの今後の学生生活の過ごし方や大学院進学を考える際の参考になれば嬉しいです。そしてXPLANEの海外学部生応援チームでは、7月3日(土):9時EDT/14時GMT/22時JSTと7月3日(土):20時EDT/25時GMT/翌日9時JSTに交流会を開催します!海外学部卒のXPLANEメンバーと、現役で海外の大学に通っている学部生とのカジュアルな懇親会です。興味がある方は、XPLANEの海外学部生チャンネルより詳細をご確認ください。

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