10年越しの夢に向けて!人事ホテリエ、2度目の社会人留学挑戦記【海外大学院受験記2022-#11】

XPLANE連載企画「海外大学院受験記」では、海外大学院への出願を終えたばかりの方の最新の体験を共有していただいています。2022年度の第11回である今回は、この秋からPennsylvania State Universityの博士課程(ホスピタリティ経営学)に進学予定の根来さんに寄稿していただきました。

目次

1. 自己紹介

皆さんはじめまして、根来葉子と申します。
立教大学観光学部を卒業後、新卒からホテルに就職し、先日まで国内のホテルにて人事としてお仕事をさせていただき、この夏からペンシルバニア州立大学の博士課程へホスピタリティ経営学という分野でホテル×人財育成を研究対象として留学予定です。

まず、このホスピタリティ経営学という学問が日本ではやっと認知されてきた状況でまだまだ知られていない学問だということ
そして、学生→社会人①→修士号留学→社会人②→博士号留学と、社会人留学を2度経験するにあたって、社会人になってからも何度でも挑戦が効く場所があるということ

上記二つを少しでも知っていただける機会があればと思い、僭越ながらこちらを寄稿させていただきました。

書類作成や英語勉強方法などは、既に詳細な受験記が多くありますので、私はどちらかというと社会人として留学するうえで吟味すべきことや、どのように自身が対応してきたのか、をお話させていただきたいと思います。

2. 大学院留学を志した理由 • きっかけ

修士留学の際は、そもそも英語が出来なかったので英語を学ぶことと、ホスピタリティ経営学という日本には無い学問を学びたいと考えたところからでした。
博士号に関しては、実は修士の頃から一つの目標としており、ホテルの人財育成について研究するのであれば実際に人事としての経験と人脈をつくる必要性がある、と感じたため日本に戻ってきて人事として再就職しました。仕事に集中しすぎたり世界的なパンデミックが起きたりと気づけば6年経ってしまいましたが、なんとか昨年度受験し念願叶って入学までこぎつけることが出来ました。

3. 出願前の所属での専攻分野・研究内容に関して

リゾートホテル開発・運営を行うホテルグループの人事部としてお仕事をしていました。人事業務全般、様々な内容に従事していましたが、主としては外国籍スタッフや海外インターンシップ学生のビザ手続きやオリエンテーション、九州・沖縄エリア全体の新卒採用の統括業務などです。

ホスピタリティ経営学の部門では、業務の経験がすごくプラスに働く分野なので、新卒の際には現場(レストランのサービス)を学んで、修士修了後からは管理部門として人事業務を学んでという経験値はとてもSoPや面接で役立ちました(実際に面接で、業務内容や学んだこと、経験を以て何を教えられるか?を聞かれました)。

因みに修士号はセントラルフロリダ大学ローゼンカレッジホスピタリティ経営学部にて取得しました。イメージとしては、MBAの観光業界特化型、という形が分かりやすいかもしれません(ただし、修士号としてはMaster of Science)。

4. 社会人が海外大学院出願をする上で気をつけること

沢山の皆様がすでに英語の勉強方法やタイムテーブルなど記載していらっしゃるので、重複するところもあるかもしれませんが、仕事をしながら&海外大学院受験がメジャーではない環境という二つのポイントに焦点をあててお伝えしたいと思います。

業務と並行しての書類作成や英語&GRE勉強

大学院出願での苦労…というとやはり、業務と同時進行で書類作成と面接などを行うところでしょうか。社会人の皆さんが受験をする際には特に、【自分の時間を如何につくるか】がカギになってくると思います。私は自分の家だと怠けてしまい勉強ができないタイプなので、終業後に23時までやっているスターバックスにお世話になると決めて業務を終わらせてから通っていました。【自分のやる気の出る環境/勉強の仕方】を発見することも大事かな、と。

理想のタイムライン】
4月  修士アドバイザーと面談、志望理由及び志望校の相談、対策
5月  SoP作成スタート
6月  GRE試験勉強及び受験開始(ホームエディションに助けられました!)
夏場    職場繁忙期のため一時中断
9月  SoP添削及び作成完了、CV、レジュメ作成完了
10月   WEB応募内容入力、推薦状依頼開始
11月   GRE最終調整
12月   2週目までに出願
1月  書類通過、面接日時の連絡が入る
2月  面接(面接対策)
3月  結果通知

…という上記を想定して動いていましたが、結果は提出前の12月に毎日夜中(否、もはや夜明け)迄作業するほど予定がおしたので、心から計画的に行うことをお勧めいたします。面接はもはやこちらではほぼコントロールできない時間帯(北米時間なので日本の23時~26時頃)に行われますので、心の準備を…!

博士受験は米国修士号のお陰でTOEFLは免除となりましたが、通常英語は足切りとして使われるので、しっかり上げる必要があります。時間が捻出できない場合、例えば時間や予算が許すのであれば、大学付属の英語学校を活用すると試験結果でなくその学校をパスすることで試験免除になる場合もあります。(私は修士受験の時はTOEFLも受験したうえで英語学校のスコア補助システムを活用しました)

社内での推薦状の準備=退職意向を伝えることになる

ホスピタリティ経営学部では、先ほど就業経験があるとプラスになるというお話をさせていただきましたが、推薦状を書いていただく際に、3通中1通は自分の働いている職場の上長などが良いとされる場合があります。(時に必須事項として業界関係者の方からの推薦状を指定されることもあります)

ただし、社会人にとって推薦状お願いします!と上長に伝えるということは…お察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、イコール退職意思がある、と伝えるということ

合格するかも分からない状態でそれを伝えることが人によってはかなり心苦しい・難しいのではないかと。ただ、合格した場合の引継ぎなども考えると、退職の半年前の10月頃にその意思を伝えられたのは結果的に良かった!…とポジティブに考えることもできますが、それが面接より何より一番緊張しました(笑)
私の上長たちは協力的な方しかおらず、受験を応援してくださったり、最悪もう1年ここで頑張れば良いと声をかけてくださったり、本当に感謝してもしきれませんでした。

キャリアとの両立と考えるか、取捨選択と考えるか

社会人留学を2回し、そもそも博士を目指していた、といってもやはり自身の中で難しかったのは目の前の自分のプライベートも仕事もとても充実している時に「いつ受験するのか」を考えること、だと思います。

修士の時も、博士の時も、「周りに大学院受験などをする人がまだまだ少ない&学ぶ学問自体が知られていない」という環境だったため、留学する=今のキャリアを止める、という形に考えられても仕方がない状況でしたし、正直私自身も悩んだのは事実です。
もっと仕事を学びたい、もっと知りたい、そして今のままいけば次のステップが見えてくる。そんな環境のみならず、男性女性関係なく家庭を持つことがあったり、出産があったりと社会人留学の方にはいつも「いつ受験するのか、むしろ受験するのか」ということは悩みとして付きまとうことなのかな、とも感じます。(あと考えたくないですが日本社会特有の年齢の壁など…)

そんな中で、私が大切にしていたのは、「今の生活をもすべて糧にすること」「自分の未来への投資を見据えること」「最悪何かがあっても同じポジションで戻ってくることが出来る自分であること」という点です。

社会人留学をする醍醐味というのは、自分の学びたいことを比較的見据えられることかなと思っています。そのうえで、「自分が今までやってきたことがあるからこそ留学へつながり、この留学先の学びをこのように自分の次のキャリアパスへ繋げる(又は、繋げたい)んだ!」ということを言葉で表せるというのはすごく大切だと感じます。
もちろん知見を広げるための留学も私は心から応援するタイプですが、自分のように不安に感じる方には、まずほかの人より自分自身が納得する時間とお金の投資の形(理想像・目標)を一つ据えることで、安心して打ち込めると思います。

また、最悪何かがあって戻ってくるときも、同じポジションで戻ってくることが出来る、という内容はもちろん会社に確認したわけではありませんが(笑)、ここまでやれば、最悪帰ってきてもまたリスタート出来るだろう!と自分が思える位に全力でお仕事もしておくと、それすらも安心できる材料になるかと思います。

私自身も、修士受験の際にはせめて一つタイトルをあげた環境で留学しよう、という目標を。そして博士受験の際には違う業務への転職だったため、せめて前職より一つ役職をあげて留学しよう、という目標を立てていました。昇進昇格などはもちろん企業によって異なるので、あくまでも個人で納得できる線引きをすることで踏み出しやすくなると思います。周りの人と比べるといくらでも不安になれるものです。そこは比べるのでなく、自分がどうなりたいのか、を自分と話し合う時間をしっかり持てるのが最強です。

5. 進学先選びについて

ホスピタリティ経営学部というところは、まだまだ日本では認知度が低く、大学自体も知られている大学が少ないのが現状です。
もともと母校へ一球入魂予定でしたが、母校のアドバイザーから自身の研究対象を踏まえて5つの大学をおすすめしていただいた結果、4校からオファーをいただき、結果ペンシルベニア州立大学への進学を決めました。研究の基礎がしっかりと知られた大学であること、そして他学部で統計学や心理学などを専門分野の先生方から直接学ぶことで、大変ではありますが基礎から応用までしっかりと学ぶことが出きると考えた次第です。

6. 出願先進学先の決定

ここまで読んでいただくと、私にとって留学は「取捨選択」ではなく「全部如何に楽しむか、糧にするか」という欲張り加減がお分かりになるかと思います(笑)
お恥ずかしい限りですが、それで良いし、それが良いのかな、と。

欲張りに生きたいですし、そのほうがきっと自分自身も後悔しない。そして、そんな自分を応援してくれる心の優しい皆さ
んがたくさんいたことこそが、これをお伝えできる大きな理由です。
もちろんサポートしてくださる方々にも納得していただくのが一番!ですが、反省しても後悔しない形を考えて、欲張りに楽しく、ハッピーな留学をしていることこそが周りの方への一番の安心感になるのかなと考えています。

社会人だからこそ見えること、やりたいと思えること、悩むこと、たくさんあるかと思いますが、それを経ることこそ掛け替えのない経験となります。ぜひ、あとから大変だけどやってよかった、と思える受験になるように、こちらの内容をご活用いただけたら幸いです!

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