XPLANE SoP執筆支援プログラム 2022年度実施報告【活動紹介】

XPLANEでは2020年8月、海外大学院出願の際に必要な書類の1つであるStatement of Purpose (以下SoP)の執筆支援制度「XPLANE SoP執筆支援プログラム」を立ち上げました。
多くの方の助けもあって、3年目の2022年度は66名の出願予定者のSoP執筆支援を行い、そのうち少なくとも51名の方の海外大学院へ進学が既に決定しています(支援人数、進学人数ともに過去最高)。8月から2023年度の執筆支援が始動するのにあたり、本記事では簡単に昨年度の実施報告をさせていただきます。以下の昨年度までの報告記事も併せてお読みください。

目次

1. プログラム概略とスケジュール

本プログラムは、SoP執筆のためにアドバイスをもらいたい出願予定者と、後輩のために執筆支援をしてくださる留学経験者のメンターをXPLANEコミュニティ上でマッチングし、出願に向けてSoPドラフトを練り上げていくプログラムです。以下のようなスケジュールで、ワークショップによるSoPライティング基礎の学習とメンターとの6回のオンライン個別ミーティングをベースに支援を行っています。

2. 2022年度からの変更点

2.1. 追加支援制度

本プログラムを開始してから3年間、参加を希望する留学志望者の数は右肩上がりで2022年度は100名を超える数の応募がありましたが、一方でメンターの留学経験者の数は限られており、分野や志望大学院をベースに実際にメンターをマッチングできたのは66名でした(珍しい専門分野で、専攻が近いメンターがいないためにお断りしたケースもあります)。

そこで、新たにメンターをマッチングできなかった留学志望者向けに「追加支援制度」として、自身で一通り完成させたSoPを送付していただき、それに対し書面上でフィードバックを行うシステムを作りました。ミーティングがない分、フィードバックを行う留学経験者の負担も多くなく、こちらの制度はスムーズに運用できました(原稿を受け取ってから、概ね2週間以内にはフィードバックが書き込まれた書類を返送できました)。

2.2. 教材の充実化

昨年度と同様、2021年度の当プログラムに参加して海外大学院への合格を勝ち取られた方々が、教材用として出願に実際に使用したSoPを提供してくださりました。提供されたSoPは情報を匿名化した上でプログラムのメンター・留学志望者に共有し、有意義に活用していただけたようです。2020年度のものと合わせると約20個のSoPサンプルを提供できています。

2.3. IWCA Annual Conferenceでの学会発表

本プログラムの特色として、カリキュラムや指導方法に関してライティング教育を専門とされているハワイ大学マノア校博士課程の松谷優花さんからの監修を受けたアカデミックなプログラムであるという点があります。特に2021年度は、支援中のいくつかの組の協力を得て支援過程の記録を提供していただき、会話分析の手法を元にして分析を行うことで、オンラインライティング指導の特徴・課題を学術的に解析する研究を行いました。この結果を元に、2022年10月にはバンクーバーで行われた国際ライティングセンター学会で、本プログラムの概要紹介と研究報告について松谷さんが発表を行われました(発表タイトル: Crossing borders and exploring new possibilities: Establishing a multilingual non-profit online writing center in Japan)。今後も、得られた知見やフィードバックを活かして、プログラムの改善に努める予定です。

3. 2022年度の留学志望者、メンターの声の紹介

今年度のプログラムに参加していただいた方の感想も、いくつか抜粋して紹介させていただきます。
なお、留学志望者の方に対するアンケートの中で、「本プログラムに参加して良かったと感じましたか?」「メンター(MM)とのマッチングはご満足して頂けましたか?」「メンター(MM)からのフィードバックはご満足頂けましたか?」という3つの質問項目では、100%の「非常にそう思う」という回答をいただきました。

【留学志望者からの声】

  • 最初の執筆アドバイスの動画がとても参考になったし、それを参考にして書いたドラフトをもとに、メンターさんがアドバイスをくれたり、その時にSoPだけではなく出願全般や奨学金についても気にかけてくれたり、いろいろお話をしてくれて、とても参考になった。周りに海外の大学院に出願する友達がいないからこと、とても心強い存在だった。
  • 合格経験者から無償で複数回に渡ってアドバイスが頂けるという意味でこれほど貴重な機会はなかった。また、定期的にMTGを設定することでともすると蔑ろになってしまうSoPの準備に半強制的に時間が割けたこともよかった。
  • 志望する専攻が近いメインメンターの意見がとても参考になった。私は個人的に、身近な人から意見をもらうのが苦手で、大学院の同じ専攻の友人にみてもらうのをためらっていたので、執筆支援で、全く面識がないが専攻は同じ方に出会えて、SoPという共通のベースの上でご意見をいただけることが大変ありがたかった。
  • このプログラムがなければ応募まで漕ぎ着けなかったと思う。

【メンターからの声】

  • メンティーやメインメンターの方との交流を通じて、勉学や研究に対する自身のモチベーションアップに繋がり、新たな学びや気づきが多くあり、自分のためにもなりました。
  • 海外大学院を目指している人のお手伝いができたのと、志望理由書に関してもっと学べたので、総合的に良かったと感じました。
  • XPLANEコミュニティに受験の際お世話になったので、次の世代に同じようなことをして恩返ししたかった。
  • 昨年の自分も含め、このプログラムに助けられて、人生が変わった人がたくさんいると思うので、教材の作成やマネジメントは大変だと思いますが、ぜひ、来年以降も続けて頂きたいです!

4. 2023年度のプログラムの内容・スケジュール

4.1. メンタリング形式

今年度も、前述の全体向けワークショップとメンターとの個別ミーティング(原則1時間×6回)を通じた執筆支援を行う予定です。こちらは、現時点で今年度中に海外大学院に出願することが確定しており、11月後半以降に出願締切がある方のみが対象です。

それぞれのペアの進行状況によってフレキシブルではあるものの、スケジュールと各ミーティングの支援内容の概要は以下の通りです。参加希望の方々は、日本時間7/15(土)に留学志望者向け説明会を開催するので、XPLANE Slackに参加してお待ちください。

■ オリエンテーションと参加者募集(7〜8月)
XPLANEのSlack内で募集(Slackへの参加方法はこちらから)。参加登録は7月末を締め切りにする予定
■ 留学志望者向けワークショップ(動画視聴)
SoPについての知識・書き方・パラグラフライティングの基礎を学ぶ
■ マッチング(8月中旬ごろ)
留学志望者の分野・留学先志望校/地域などをもとに、留学志望者と経験者をマッチング
■ ミーティング第1回:初回ミーティング (8月下旬から各組に分かれてスタート)
分野/研究テーマ、志望校/志望学科、SoPの進捗確認など執筆支援に必要な事項の確認
■ ミーティング第2回:Generating Ideas (考案)
書きたいアイデアを列挙し、実際に書く内容を取捨選択する
■ ミーティング第3回&第4回:Organizing Ideas (構成)
アウトラインを作成し、取捨選択したアイデアを、どの段落のどの箇所に配置するかを決める
■ Drafting (草稿)
アウトラインに基づき、実際にSoPの草稿を作成する
■ ミーティング第5回&第6回:Revising (修正) (11月中旬頃までに)
草稿を内容と表現の両面において何度も書き直す
■ Proofreading (校正) (提出締め切り(12月が多い)までに)
ネイティブまたはバイリンガルによる英語(文法、スペルなど)の最終的な修正を受ける

なお、昨年度同様、メンターの数の限りのためメンタリング形式を希望された方全員のマッチングができないことが予想されます。その場合、マッチングができなかった方には以下の「完成稿フィードバック形式」を通じての支援を提供する予定です。

4.2. 完成稿フィードバック形式

さらに、2022年度に導入した「追加支援制度(2.1参照)」を、今年からプログラムの一部として組み込むことを決定しました。
こちらではマッチングは行わず、ご自身で一通り完成させていただいたSoPをアップロードしていただき、それに対して分野が比較的近い大学院留学経験者がドキュメントのコメント機能を使って詳しいフィードバックを行うという形式となります。また、こちらの形式に応募された方にもSoPプログラムで使用する教材(ワークショップ、SoPサンプルなど)は全て提供します。

こちらの形式は、

  • 現時点で海外大学院へ出願するかが未定な方
  • 10月など出願締め切りがく、6回のミーティングを行うと間に合わない方(イギリスの一部の大学院など)

も対象としています。特に、海外大学院への出願を取りやめる可能性がある方は、こちらへの応募をお願いいたします。

5. 謝辞

本プログラムが継続的に成功を収められている第一の理由は、忙しい中でメンターとして参加いただいたXPLANEコミュニティの留学経験者の皆様のご協力に他なりません。本当にありがとうございました。また、ライティングセンター教育学・カリキュラム開発の専門家としての視点からカリキュラム設計、ワークショップ開催、リサーチにご尽力くださったハワイ大学マノア校博士課程の松谷優花さんに深く感謝いたします。

また、本プログラムは米国国務省/在日米国大使館からの助成金(Promoting Study-in-the-United-States and Fostering English Language Learning Program)によりサポートされています。こちらにも深く感謝を申し上げます。

XPLANEでは、本プログラムを改善しながら将来にわたって続けることで、多くの方の海外大学院出願を継続的に支援してゆきたいと考えています。留学経験者の皆様には、これからも引き続きご協力いただけると幸いです。

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